第2話 何やらダイスを振れと?

「え?ねえどうするのよダイスって?この子そのままあっちに送るんじゃないの?」


 何か意味不明な事を言っていますね、ボーイッシュさん。


「ふっふっふ・・・・ここに丁度バッコロ用のサイコロがあるのじゃ!」


 さっきはダイスって言ってたけど・・・・サイコロでいいのかな?まあ意味は一緒・・・・

 で、バッコロ?何ですかそれ?


【麻雀専用のサイコロ。2種類の正十二面体のサイコロがセットになっているもの。一つは開門用黒サイコロ、普通のサイコロ。もう一つは場決め用赤サイコロ・東西南北各3ずつ・・・・詳しくはウィキをどうぞ】


「父上、今回は12面ダイスですな!」


「おう!で・・・・こいつは20歳か?じゃあそうだな・・・・12面ダイス2回振れ。そして2を引く。あと欲しい物はそうじゃな・・・・わしのミスじゃから・・・・と言ってもさほど渡せんからな、12面一度振れ。その数だけ渡そう。」


 ・・・・何故かその人、僕にダイスを握らせます。


 12面?変わったダイスですね・・・・


 何故か漢字で書いてます。


 そしてボーイッシュな人が僕の隣にやってきて・・・・

 あ、この人やっぱり女性ですね。いい匂いがします。

「先ずは2回振って?」


 僕はそのマージャンのやってるテーブル?今はマージャンの駒って言うのかな?牌?パイって呼ぶんだったかな?僕にはマージャンの知識がない・・・・

 おじさん達が一生懸命場所を開けてくれたので、そこにダイスを振りかざそうとしたら、

「おっと一寸待て!このコップに入れて、テーブルにコップをひっくり返すのだ!」


 おじさんにそう言われ、コップも受け取り早速ダイスを入れ、テーブルに置きます。

 そしてコップを取ります。


「お?7か。悪くない・・・・次行け次。」


 急かされるのでもう一度・・・・


「む?今度は5か・・・・合計12で、2引いて10だな。じゃあ次だ・・・・あんちゃんに渡す色々なアイテムの数を決める。これはマイナスせんからな、いいの引けよ?」


 よく分かりませんが・・・・

「あ、私がサポートしてあげるよ?」

 よく分かりませんが、その人僕の後ろに身体を回し・・・・あ・・・・いい匂い・・・・

 そして耳元で一瞬ですがこっそり声をかけてくれます。

《ごめんなさいね、許してとは言えないけど、せめて渡すのだけは一番多い数にしてあげる。》


 え?と思ったけど・・・・

「さ、それをテーブルに置いてね?」

 僕はその人に触れられたままテーブルにコップを置きます。

 あ、他の人は酒を飲んでこっちをろくに見てません。


「うははは!10歳だぞ10歳!これはもう決まったも同然じゃな!」

「では私は念の為父上の次ので。」

「おいおいそれでは賭けにならんじゃないか・・・・仕方ない、じゃあわしはお前さんの次か・・・・あいつにはまあ、豪快に外してもらおうか・・・・あんななりでは長くは・・・・」

「「「うあはははは!酒がうまい酒がうまい酒がうまいぞ・・・・」」」


 すっかり出来上がってます。


 そして・・・・出た数字は12。


「あ、よかったわね。ただ、さっき言ってた要望はこの数から選んでね?あっちの常識とか、言葉とかも。」


「あのお姉さん、僕本当に死んだんですか?」

「え?何で私が女ってわかるの?ばれない様に髪の毛短くして、さらし巻いてるのに?」

「いやだってどっから見てもきれいな女性ですよ?ただ髪の毛短いからボーイッシュな感じですけど。」


「きゃあ!嬉しい事言ってくれるわ!」


 うわ・・・・柔らかい・・・・

 僕は生まれて初めて?家族以外の女性に抱きつかれました。

「あ、ごめんなさいね・・・・」


 あ、と思いますが離れていきます。そして・・・・


「おい酔っ払いども!この子12出たよ!」

「え?まじ?何だよそれ・・・・」


「まあだけど色々必要でしょ?言葉とか、常識とか?服も一式必要だからさ、12なんてあってないようなものよ?」

「それもそうか?そうじゃな・・・・着るものだけでも上から上着・ズボン・パンツ・靴下・靴・・・・まあ靴下や靴はセットで一個でもいいか・・・・これだけで5つじゃな・・・・うはははは!」


 え?そう言えば・・・・今更ですが、今着ている服は駄目?

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