第77話 ダンジョンには6名までと言う決まりがあるようです

「僕ダンジョンなんて入った事ないけど大丈夫かな?」

 心配になって聞いたのですが、

「街の外であれだけのオークをノーダメージで仕留められたのだから大丈夫!」

 同い年のカロリーヌさんが自信満々に答えてくれます。

「そうよショースケさん!オークジェネラルですら仕留められたんだから自信を持ちなさいよね!」

 少し年上のお姉さんな感じのクラリーヌさんがそう言って励ましてくれます。


「そうよぉ兄ちゃん!それにその武器、投げても失くさないのだから無敵よ!!」

 確かにキラリーヌちゃんの言う通り、この武器があれば何だかドラゴンですら仕留められそうな気がしてきました。


「それにあのコップがあれば万が一があっても心配なさそうよ。」

 薬師のニネットさんがそう言ってくれます。

 確かに怪我をしてもあのコップがあれば、極端な話生きてさえいれば完全回復してくれるような気がします。確か瀕死の冒険者も完全回復してたっけ。


 そして伯爵さまが着いてこようとしてましたが、ニネットさんに止められていました。

「お言葉ですが伯爵さま、ダンジョンは一つのパーティーで6名までと決まっていますから定員オーバーですよ!」

 6名までなんですね。知らなかった。そして何故?

「ぬぐぐ・・・・だが!」

 そこまで言った時伯爵さまの奥様がやってきて、

「あなたおいたは駄目ですわよ。それに伯爵としてしないといけない事柄がまだ山積みですからね。」


「ちょ!待ってくれ!たまには儂もダンジョンにいいいい!!!!!」


 伯爵さまの叫びを背に、僕達6人はダンジョンに向かいました。


 しかしたったこれだけの事なのに、いきなり知らない事柄に出くわしてしまいました。


 ベティーナ様から用意してもらった常識ってどこまでの常識なんだろう?


 そして時を同じくして神界では、


【くそおお!3日が過ぎてしまったではないか!】

【仕方ありません父上。まさか気付かれしかも避けられてしまうとは予想外ですからな。それにまだ私の賭け1年がありますから問題ないでしょう。】

【そ、そうだな。1年あれば10歳の餓鬼が生き残る確率は低いな。ふう、安心したぞ。】


 その2柱の親子心をバカにするかのように一柱の神が見ていた。


【馬鹿な親子だ。1年後にはあいつらからすべてを奪ってやる。それまで生き残れよ坊主。】


 そしてさらに遠くから見ている小柄な1柱。

【させないわよ。彼には寿命で死んでもらうんだから。そしてその後は神界で・・・・キャアア!!!!たった100年程待てば彼とまた会えるのよ。それに教会できっとまた会える!】


 神とは何なのだ、と思える場面だった。

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