第12話 粉塵爆発

 僕は咄嗟に小麦粉をポチり、オーク目がけて投げつけます。

 これを何袋か袋ごと投げていきます。


 そしてオークは小麦粉の袋を剣で叩き落そうとし、袋から大量の粉がオークの目の前で小麦粉が拡散していきます。


 僕は急いで爆竹とチャッカマンを購入、ナイフに爆竹を括り付け、チャッカマンで火を付け、そのオークに投げます。


 数秒後爆竹が鳴り響き、その凄まじい音に驚くオークですが、粉塵が舞っている所に爆竹が発火でいいのかな?そして引火。

 僕は咄嗟に地面に伏せましたが、ものすごい爆風を感じます。


 うわ・・・・噂に聞いていた粉塵爆発って凄いです。


 当然ながら倒れるオーク。

 僕はナイフを投げまくり、オークを剣山みたいにしてしまいます。


 そして暫く様子を見ますが、動く気配はありません。


 うう・・・・怖かった・・・・仕留めたよね?


 僕はそのオークをカバンに仕舞います。

 更にあの2体の大きなオークも仕舞います。


 あ、僕が仕留めたオークは全て回収しときましょう。


 全部カバンに仕舞います。


 そして・・・・僕も倒れます。

 しかしデカかった・・・・

 3メートルぐらいあったんじゃないかな?

 あんなのに突進されたら死んじゃうよ?


 僕は額の汗を手で拭う・・・・と、あれ?赤い?

 どうやら頭の一部に傷を負ってしまったようです。


 そう言えば少し痛みますね。


 口の中も切ってるみたいで血の味がするようです。

 鼻血を呑み込んで以来でしょうか?


 コップを取り出し、痛みが収まればなあと思いながら飲みます。


 そして先ほど力が湧いた時のように、スーっと痛みが引きます。


 あれ?痛くない?



 僕は起き上がり、自身の身体を確認します。

 うん、骨は折れて無さそうだし、普通に体が動きます。


 そんな風に体を確認していると、近くには先程の女性が倒れたままです。


 あれ?さっきは気が付かなかったけど、腕が・・・・変な方向に曲がっている?


「お姉さん、動ける?」


「う・・・・少年?え・・・・いたた・・・・左腕がおかしいわ。折れてる?」

「あ、変な方向に曲がって・・・・引っ張って元に戻しましょうか?」

「う・・・・お願い・・・・」


 僕は女性の左腕を掴み引っ張ります。


「うぐうう!」


 ・・・・どうやら脱臼みたいです。

 女性は顔色が悪く、真っ青です。

 念のためコップから水を飲ませてあげます。


「あ・・・・ありが・・・・と・・・・」


 半ば意識を失いかけながら飲んでいきます。


 そして飲み干すと、突然その女性が立ち上がります。


「あ、あら?確かに腕・・・・脱臼?ずっと激痛がしていたのに・・・・痛くないし、動く?」


 これはひょっとしてとは思ってたけど、このコップは何か特殊なのでしょうか?


「何だかわからないけれど、ありがとう・・・・貴方魔術師なの?」

「え?魔法は使った事・・・・多分ないですよ?」

「何だか凄まじい爆発魔法使ってたわよね?オークジェネラルに致命傷を負わせる威力なんて信じられない・・・・というかジェネラルは?」


「ええと、一番大きな個体なら、既にカバンの中です。」

「カバン?貴方見かけによらず収納カバン持ち?」

「収納カバン?」

「え?知らない?中が広くなっていて、カバンの大きさより大きなものが入るのよ?カバンによっては相当重い物も、重さを感じないで持ち運びできるとか。」


 そんな便利なものがあるんですね。

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