第88話 異世界の高級旅館の食事は素晴らしかった!
宿に着き、部屋に案内されたのですが・・・・何ですかここは!広すぎです!!!
「オーリグー伯爵様よりのご指示で、普段伯爵様がご宿泊されているお部屋をご用意させていただきました。お連れのご婦人方には別室をご用意する事も出来ますが、いかがいたしましょうか?それとニネット様、お久しぶりですね。」
どうやら女将さんはニネットさんとは顔見知りなようです。もしかしてニネットさんは伯爵さまがこの宿を利用する時に一緒に来ていたのかな?
女将様にそう言われつつ部屋を案内されたのですが、どうやら宿の最上階を貸し切った形?と言うよりも最上階は貴族、しかも伯爵さまのような上位の貴族向けに最上階が全て一人の客の為に用意されているようで、正確には一人の客と言うより貴族とその家族の為に用意してある部屋らしいです。
何せ最上階が全て貸し切り状態、無駄に部屋が沢山あるんです。
寝室だけでも10部屋はあるんじゃないかな?客間に食事をする大部屋、くつろぐ部屋、そして書斎も!トイレも複数ありますし、洗面台も沢山あるんです。その、部屋の数だけある、みたいな?
流石に風呂は・・・あった!だけどこの風呂は利用する事はなさそう。
何故って?
「お風呂でございますが、本日はオーリグー伯爵さまのご指示で当館は貸し切りとなっておりますので、下の温泉もご自由にお使い下さい。勿論男女の制限はありませんので、ご婦人方は全員殿方の温泉で・・・・」
目の前で説明をしてくれているのはこの宿の女将さんかな?
最初はしっかりと説明を聞いていたのですが、温泉の件になってつい呆然としてしまいました。
貸し切り?しかも男女同じ湯で?
あり得ないでしょ?
そうは言っても僕は未だ10歳。
それはいいんですが、キラリーヌちゃん以外は僕と同年代か年上。
そんなの困ります!僕はゆっくりと寛ぎたい!温泉を満喫したい!!!
因みに今日はこの宿自体貸し切り状態のようです。
まあ僕がこの場に、つまり魔法学院に向かうのは半年前から分かっていたので、伯爵さまはこのような宿の手配をして下さったのでしょう。
「それは困ります。男性は男性用、女性は女性用でお願いします。」
「左様でございますか?当然ながら殿方がご婦人用に入られても問題ございませんのであしからず。」
その後いくつか注意事項を説明してくれたんだけど、もう僕の頭の中には入ってきません。
無駄に広い部屋に困惑しつつ、早速食事を堪能しました。
僕達が説明を受けている間に食事の用意が整い、早速全員で食事をしました。
流石超高級旅館。
日本で食べたどの料理より美味しかった・・・・と思います。
何せグルメではなかったし、食に拘りがなかったので、おいしい食事を求め外食を、と言うタイプではなかったのでそんなに外食はしていませんでしたが、流石異世界?
よくある異世界の食事はおいしくないは嘘だと思いました。
「こちらはオークジェネラルのステーキでございます。」
「こちらはレッドボアのローストでございます。」
「ダンジョン産の野菜尽くしでございます。」
食事が運ばれるたびにそんな説明が。この宿は、出来立てを提供してくれるようで、こちらの食事の進み具合を見定め運んでくれているようです。
「ショースケ様、私こんなおいしい食事を頂いてしまって宜しいのでしょうか?」
美味しい食事とは縁のなかったサティ4姉妹の長女コラリーヌさんがそんな事を言っていますが、
「伯爵さまのごお厚意で頂いているんです。遠慮しちゃあ駄目だと思います。しっかり食べて下さい。」
好意ではなく厚意だと思っています。
貴族と言うのは見栄っぱりで、矜持がどうのこうのと言う面倒な人種です。
伯爵ほどの身分だと特にそうなのでしょう。
因みにクラリーヌさん、カロリーヌさん、キラリーヌちゃんは何も言わずに必死になって食べていました。
そんな中ニネットさんだけ上品に食べていて、ああ彼女は伯爵さまの所にいたんだっけ、と成程伯爵さまの所に勤めると行儀もしっかりと・・・・礼儀かな?僕も気を付けないと。
「私はこの宿は数回利用した事があるのだけど、食事も温泉も素晴らしいのよね!」
ニネットさんがそのような事を話してくれるので僕のテンションは上がりまくり!
それは期待できる!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます