第119話 海の向こうへ!

 ベティが言うのはもうこの大陸には珠の欠片はないそうです。


 なのでこれから海を渡り、別の大陸を目指さないといけないらしいです。


 うーん、そこまで必要?

 少なくとも僕が普通に過ごすのに、別の大陸へ渡る必要性は全く感じられません。

 こう言っては何だけど、これは神の問題。

 神の時間は無限かもしれないけれど、人の時間は有限。


 もう2年その時間を使ってしまいました。

 僕はいいのですが、コラリーヌさんもずっと付き合ってくれているので、彼女まで時間を犠牲にする必要は・・・・


「私はショースケ様とずっと一緒です。」

 彼女の僕に対する気持ちは嬉しいのですが、いいのでしょうか?

「ありがとう。でもまだかなりの年月を費やす事になるかもだけど、本当にいいの?」


 するとコラリーヌさんは僕の手を取り、

「ずっと一緒です。」


 もう僕はこの一言で陥落してしまいました。


 僕は彼女を一生守っていこう!そう新たな決心をし、2人でどこまでも・・・・

「ねえ私が居るんだけど。」


 其処は空気を読んでほしかった。

 尤もベティが居ないと話にならないから仕方がないのだけど。

「ねえベティ、珠の欠片はどれぐらい集まったの?」

「そうねえ、おおよそ半分かしら。」

 あれだけ集めて半分!

 それも珠の欠片が飛び散った大陸でこれだから、他の大陸も探すとなると後10年ぐらいかかるんじゃないかな。

 こんなにも長い間彼女を待たす事になるのか、どうしよう。


 そんな事を思っていると、ふと沢山の気配が。


 振り返るとそこには、ニネットさんをはじめクラリーヌさん、カロリーヌさん、キラリーヌちゃんがいた。いつの間に?


 ここはジュリグー魔法学院からもかなり離れているはず。


「ショースケ達がこの大陸から離れるって聞いて、無理してきたのよ。」

 無理してっていったいどうやって来たのニネットさん。


「お姉ちゃんもそうだけど、ショースケともお別れだから、こうして来たのよ。」

「そうよ、お姉ちゃんをよろしくねショースケ!」

「お兄ちゃんになら任せられるわ!」


「みんなありがとう、私幸せになるわ!」


 あれ?何か間違っていない?

 今から別の大陸へ旅立つのですが、何故ここでコラリーヌさんはこんな事を言うのでしょか。


「はいはいもういいかしら?一応ね、いつでも戻る事が出来るから、そこまで深刻にならなくってもいいのよ。」


 ベティが今変な事を言った!

 海を渡るんだから、いつでも戻るなんてできないはず。

「これでも神だからね、それぐらい簡単よ。」


 いいのかなそんなので。


「じゃあ出発ね!貴女達も早くいい男捕まえて幸せになんなさいね!」

 ベティ、それ神の言うセリフじゃないよ絶対に。


「私が先にそうなったけど、次に会う時には全員幸せになっているといいわね。」

 何の事?

「腑に落ちないけれど、そろそろ出発するよ、じゃあね!」





 酔っぱらった神のせいで美醜が逆転している異世界へ転生させられた!


 Fin


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酔っぱらった神のせいで美醜が逆転している異世界へ転生させられた! よっしぃ @egu-tyann

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