第102話 急激な変化

 僕は一寸落ち着く為に、一人で風呂に入りました。

 ゆっくりと湯に入りながら精神を落ち着かせます。

 そして僕の身に何が起こったのか、改めて考えます。


 冷静になってみると、どうやら僕に変化があった様子。


 改めて鏡を見れば、見慣れた顔。

 但し日本にいた時の顔です。

 そして背が伸びたようで、顔の感じから言って僕が死ぬ直前の姿そのもの。


 つまりこの世界に転生した時に、神の力によって10歳の身体になったけれど、それが何かの切っ掛けで元の姿になった、と。


 何かの切っ掛け、それはあの時の衝撃によって噴出した液体で間違いないでしょう。


 そしてあの時はあの場に留まらないほうがいいと判断したので調べませんでしたが、あれってマージャンしていた2人のはず。


 世間で彼らは残念な神とか愚かな神やら、酷い話しか聞いた事がありませんが。


 でも神様ってこの世界に直接来ることが出来るの?


 その時に何かあったとか。

 制御できずに神界から落下、そのまま地面に激突し、その時に何かアイテムとか若しくは怪我をしたとかで神の力が放出しちゃったとかだろうか。


 その放出した力はあの液体と共に地上に放出した?


 僕達はそれを体に浴びたので僕以外にも影響があるのでしょうか?

 要検討です。


 さて、考察はこれぐらいにして皆でご飯にしよう。


 この日はこれ以上特筆すべき出来事もなく、そのまま就寝。


 ・・・・

 ・・・

 ・・

 ・



 朝になりましたが、いつもと変りない日常・・・・とはいかなかったけれど、つまり僕の変化に皆驚いたか戸惑ったかで、まじまじと見て来るのでちょっと?いえ可也恥ずかしいです。


 いつものように6人で学院に向かいますが、何か周囲の様子が変です。


 どうした訳か至る所で桃色な空間・・・・とでも言えばいいのでしょうか、至る所で美男美女がいちゃついているんです。


「ショ、ショースケ様、なぜあんな人通りのある場所であの2人は抱き合っているのでしょうか?」


 それは僕が聞きたいです。

「ショースケ!あのイケメン、腰に手をまわしちゃってるよ!」

 ニネットさんも別のカップルを見たようです。


「なんだか視線を感じるのは気のせい?ほら、男子の視線が凄いんだけど?」

 クラリーヌさんの言う通り、サティ4姉妹とニネットさんには周囲の男子からの視線が凄いんです。

 いつもはほぼスルーなのに。

「ねえショースケ、今綺麗だとか素敵だとかすれ違いざまに言われたけど、どういう事?」


 カロリーヌさんがそう教えてくれますが、男子の呟きが呟きで済まされないほど大きな声でこっちにはっきりと聞こえているんです。


 そして極めつけが、

「お兄ちゃん!キスしている!キスキスキスよ!」

 キラリーヌちゃんの指摘があるように、至る所でキスをしているカップルを見かけます。

 それも皆甲乙つけがたい美男美女ばかり。


「とにかく教室に入ろう。」


 一体どうしたのでしょう。


 僕達が学び始めて半年、この学院でこのような風紀の乱れは今まで一度も目にした事が無いのですが、今日は至る所で目にします。


 昨日の出来事が原因でしょうか?





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