37話【デートの誘い】


案外行けるだろうと思っていたお化け屋敷は割とガチ目に怖かった。明るく、元気な声が響く廊下に出ると安心感でまた腰を抜かしそうだ。まぁその心配はないだろう、理由はまだ繋がられている手があるから


「先輩可愛かったですね笑」

「は、はい!?」


しばらく2人で話していると、私が怖がっていたのが彼の心には響いたようで、普段デレない凌央くんがデレた。急すぎて頭が追いつかない。。


「…からかうのはよしなさい」

「本音ですよ?あー、顔赤い」

「…うるさい。でも、助けてくれてありがとう。かっこよかったよ」

「あ、、。すみません…え」


凌央くんがでれるなら、それ以上にデレさせたい思うのは私だけだろうか。普段デレない人を思う存分デレさせたい。そういう気持ちと、本音でかっこよかったから言った言葉は思ったよりも効き目は良かったみたい。


「あはは。凌央くんも赤い〜」

「…反則かと。。あ、てか戻らなくていいんですか?」

「私は休憩時間だから、てかそれを言うならそっちの方がやばくない?」

「あ、そうなんですねならいいですけど。

そうですね、そろそろ戻ります。教室まで送れずすみません。」


教室まで送ってくれる気だったんだと思うとニヤけが出てしまう。どこまでイケメンなんだこの子は。バイバイと手を振りながら階段を降りようとすると、1件のLINEの通知が来る。誰だろう…みるとそれは凌央くんからで。


『愛羅先輩。明日浴衣デートしましょうね』


との事。

ばっ!と後ろを見ると、ニコニコした彼がいる。クソ確信犯め…そんな彼でもかっこいいと思ってしまう私はほんとに情けない。浴衣デート。イベント発生しそうだな





颯太side


3年生の階に行くと、どこのクラスも客でにぎわっていた。さすが3年生。クオリティーや、出しているものが違う。自分達も3年生になった時同じものができるのかと不安になるが多分無理なんだろうなと1人考える。


「えっと、あ、ここだ。先輩いるかな」


目的は先輩をデートに誘うこと。

だが、その先輩は今は居ないぽい。


「…出直すか。」


居ないなら仕方ない。でも今誰かに誘われていたら?もしかしたらもう回る相手がいたら…考えたら考えるだけ早く誘いたいそう気持ちは強くなる。帰り際も探すか。駆け足で階段を登ろうとした時


「あ!颯太くんー!来てくれたんだ」

「桃先輩」


大好きなあなたの声が聞こえた。

それだけで満足で、もう帰ってもいいと思った。いやここで帰るな俺。誘え頑張れよ、頼りになる先輩方2人にアドバイスしてもらったんだ。行ける。暫くの沈黙が続く中先輩は何があった?という顔をしている。たった一言が言えない。覚悟を決め勇気を出して言った。


「明日一緒に回りませんか?」


恐る恐る言った言葉。それは先輩には届いたようで、いいよと言ってくれた。幸いなことにまだ誘われていなかったらしい。良かった。本当に…


「ありがとうございます。明日迎えに行きますここに」

「え、まじで??それは…」

「何か不具合でもありましたか?」

「違うよ。なんか照れるなって…」


思わず口走ってしまった言葉が先輩を照れさせる。頼むからそういう顔をしないでくれ。


明日のデートは。

色々持つか心配になってきた

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