30話 【写真】


「よしできた!!」

「ありがとうございます!」


あれから2人の浴衣を着せたあと、桃も合流し2人で今日いる子達の浴衣を着付けた。みんな似合ってる…さすが私の後輩達。可愛くてたまらない。多分私の顔は異様にキモイであろう、だがその気持ちは同じなようで桃はその気持ちをぶつけるかのように、みんなに写真を撮ろう!!と言っている。すげぇなコミュ力…


気づけば写真会の列ができていた。

その列で待ってる中でも写真を撮っている。みんな楽しそうだ。


下駄をはき、廊下に出る。

歩く練習と、果歩にドヤ顔で着れたことを見せに生徒会室に行こうとした。


「先輩」

「?どうした」

「写真撮りませんか?」

「は、はい???」


声をかけきたと思えば、凌央くんだった。

ほんとに似合うな浴衣姿。思わず見とれていると、変ですかね。。?と聞いてきた。違うよ真逆だよと伝えると、喜んでいる。髪セットしたらバカにモテそう。。


あ、いい加減返事をしないと、

他の子と撮ったら?と聞く。


「もちろん撮りますけど、1番は先輩がいいんです。だめですか?」

「ダメじゃないです…」

「良かったです!じゃあ撮りますね」


ダメだこの男。女慣れがすごい…

だが、張本人はすごく笑顔で来る。顔はいい…ほんとになんなんだ。。グッと近ずいてくる凌央くん。距離感は今までより1番近い為、体温は上がる。


「…近いですね」

「ち、近くしたのはそっちじゃん!」

「あはは‪wつい。先輩振り向いてくれないかなと思って。あ、照れてます?」

「…照れてない。ほら、早く撮るよ」

「分かりましたよ」


カシャ

廊下に1つのシャッター音が響いた。画面にはニコッとした凌央くんと、照れ隠しの私が映っている。


「これ後で送っときますね。あ、当日も撮りましょうね先輩」


撮れたことを確認すると、先輩の顔やばっと言われた。珍しく笑う君の顔の方がやばいと思うけど。携帯をもって、ニッと効果音が出そうな笑い方をする凌央くんに手を振る。



「おっ、早速イチャついてますか」

「果歩!?!?いつから」

「2人が写真撮るところから?」

「最初からじゃん!!」

「あはは‪w‪wでも私2人の写真撮ったんだよ」


ほら見てと言われ見せられたのは

互いに笑っている後ろ姿のものだった。


「これ送って…」

「はいよ」

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