第3章 少しの進展
11話 【ホワイトデー】
「おし、テスト返していくぞー」
散々苦しめられたテストから開放されたと思えば今度は返却の時。最終日ということもありみんなの情緒は戻りつつあった。
・
「そういえば愛羅テストどうだったー??」
「まぁ、今回も平均って感じ。なんも面白まもない(笑)」
「え、私もなんだけど」
「まじかさすがだわ」
全部のテストが返却された昼休み。
お昼を食べながら桃は私にそう聞く。まぁこの後2人して笑ったのは誰もが想像できたであろう。
「あ!!そうだ愛羅、」
「ん?」
「これ!ホワイトデー」
「ええええ、ありがとう。うれしい」
そうか、そう言えば世間は今日ホワイトデーだった。朝テレビを見た時そう言って気がする。桃からくれるまで忘れてたとか言えない
「いえいえー!でね、これ1年生にも渡したいから着いて来てくれる?」
「いいよー。行くいく」
「ありがとう、!!」
早く食べなきゃ!と言う桃を
焦ならなくていいよ(笑)と言うわたし。傍からみたら親子だなと思われるだろうな。
しばらくして食べ終わった桃は袋を持ち教室を出る。もちろん私も出た
・
「茶道部の子いる〜??」
桃のこの一言に、後輩達は来た。みんな受け取りありがとうございます!!と言っている可愛いねと2人で会話をしながら教室に戻る。
・
席につき、時計を見ると授業まであと10分あることを知る。寝れると感じた私は、机に伏せ寝る体勢に入った。
「愛羅ー!お客きてるよ」
クラスの誰かが私を呼んでいる。
せっかく寝れそうだったのに、邪魔をするな、客って誰よ。そう心に思いながらドアの方に行くと
「愛羅先輩」
「あ、凌央くん。えっと。。なに?」
「これ、ホワイトデーです。」
「ええ。。ありがとう!」
「いえ、たいしたものではないですけど気に入ってくれたら嬉しいです。じゃあ、次の授業もあるので失礼します。」
「わざわざ来てくれてありがとうね。頑張ってー!」
ペコッと会釈をし帰る凌央くん。
まさか客が凌央くんだとは思わなかった。手には先程貰った紙の袋がある。やばい…嬉しい。。これ以上幸せなことがあるか
「開けてみようかな。。」
自分の席に座り、紙袋から出たのは綺麗にラッピングされたものが2つ。1つは可愛いパッケージの中にお菓子が沢山入っているもの。もう1つはラベンダーのにおいがするハンドクリーム。ふたをあけにおいを嗅いだがとても心地の良いものだった。
「センスがありすぎる…これ選んでくれたんだよな。。私のために」
その姿を想像すると何故だか頬が緩む。
傍からみたら、ただのキモイやつだけど、
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