15話 【引越しと伝えたいこと】


みんなで頑張ったここ1週間。

やっと終わった、謎の達成感と疲労が私の体を襲う。


「はぁー!やっと終わったー!」

「お疲れ様ー」

「お疲れ様です!」


クタクタで座る同級生と、それを大丈夫ですか?と心配する後輩達がいる中、後は業者の人に任せようという形で部活は終わった。



「ねぇ、打ち上げやりたい」

「2人で?(笑)」

「うん!!人呼んでも来ないと思うしさ」

「確かにそうかも。。いいよ、やろっか」

「はぁぁあー!愛羅愛してる」

「大袈裟すぎだわwwあ、ついでに桃に話したいことあるから話すね」


楽しそうにどこに行こうかなと言っている桃は私がそう言うと、目が飛び出でるのでは無いかと言うぐらい開けて


「何!?怖いけど気になる。。」


といった。

「とりあえず、カラオケ入ろう」

「うん」


私たちの打ち上げというのはカラオケで決まっている。近くにあったため迷わず入店した。





久々に歌った為、喉が少し痛く感じ飲み物を飲む。キンキンに冷えた烏龍茶は美味い。


「で、話って?」


マイクを片手に聞く桃。

さまになっててなかなかいいよ…とこれは置いといて。話さなきゃ


「私ね、好きな人ができたの」

「え!?!?!誰?私も知ってる人?」

「うん。知ってる」

「ええ、誰だ。。悠燈くん?」

「うんん。」

「凌央くん?」

「…」


名前を聞くだけで、ドキッとする。

本当重症すぎる恋だなと我ながら思う日々。その私を見て察したのが桃は叫んだ。


「え、当たり!?!?」

「そうだよ‪w凌央くんが好き」

「ひええええ。。まぁ優しいしあんな愚痴聞いてくれるぐらいだもんね、、大人ぽいし」


私たち3年生の愚痴を聞いてくれた時のあの凌央くんの伝説をきっと言っているんだろうな。あの時はやばかった、本当に…うん。


「そうなのよ…気づいたら落ちてた」

「まーじか。おけ分かったよ応援する」

「ありがとう。伝えるのが遅くなってごめんね」

「悲しいけどでも言ってくれたからそれでいい!」


ニシシっと、効果音が出そうな声で笑う桃は

悩んでいた私の心を微かに安らげた。言ってよかった。本当に


「じゃあ!、そんな恋する愛羅に向けて歌いまーす!!!」

「ええ!?‪w‪w‪w」


ノリノリで言いながら歌っている桃を

笑って見ていた。

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