35話【男子会】
颯太side
「聞きたいこと?別にいいけど」
「じゃあ、移動する?話し的にここじゃまずいよね?」
2人ともいいと言ってくれた。優しい先輩だ。
悠燈先輩の優しさと気遣いに了諾すると、今の時間なら誰もいない体育館の横にある小さなスペースへと足を進ませた。
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「で、話って?」
「まぁまぁ、凌央。颯太くんのペースで話させてあげなよ。ゆっくりでいいよ」
壁に寄りかかって話す凌央先輩に、まるで兄かのように話す悠燈先輩。なんだろうこの既視感は、あ。。桃先輩と愛羅先輩でみたやつだ。
「すみません…えっと、、あの。。。」
こんなに焦るものか。
たった一言を聞くのに、相手は凌央先輩と悠燈先輩だ。入部してからずっと仲良くしてくれてる優しい先輩方だ、大丈夫。安心しろ俺
深呼吸をし、呼吸を整え聞く
「桃先輩って、彼氏とかいるんですかね」
「桃先輩?どうだろ、凌央きいた事ある?」
「んー。聞いたことないな、悠燈は?」
「僕もきいたことない。でもなんで?」
「それは…」
「その反応は、そうか」
「あ、はい。お察しの通りです」
納得したかのように、声を揃えてなるほどと言った2人は息があっている相棒かのようで羨ましかった。
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「んー。今の状況を理解するためにまとめるね。颯太は桃先輩が好きで、向こうに相手がいたらどうしようそう思って俺らにきいた」
それで解釈していい?
と、悠燈先輩。この短時間で状況を誰にでもわかるようにまとめた。この人頭いいんだろうな。
「それで大丈夫です」
「そっか、了解。んー、僕らが1年生の時にやった、恋バナの時には浮いた話けど、今はどうだろう。。」
「そうですか…ですよね。。」
それは保証出来ないかもと悩みながら言う悠燈先輩。どうしたものか、奪ってでも自分の彼女にするか、そう決めるか頭によぎった時口を開いたのはスマホをいじっている凌央先輩で
「朗報だ。
颯太よかったな。桃先輩彼氏いないってよ」
証拠と言って、愛羅先輩とのトーク画面を見せてくれた。そこには、『桃彼氏居ないよ』
とのメッセージが。そうだこの人に聞けばよかったと少し後悔したが、でも
「良かったね、これで思う存分アタック出来るじゃん!」
「頑張れ」
自分のように喜んでくれる先輩方がなりよりも優しくて。かっこよくて、聞いてよかったと思えた。
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昼休みも終える放送が流れた為
ここで解散することになった。2人にお辞儀をしていると
「颯太」
「はい、なんですか凌央先輩」
「桃先輩少し気になってるぽい人いるらしいぞ」
と、肩をぽんとしながら言った凌央先輩。
もし、それが本当なのであれば…大変だ。。
気になる相手が自分であればいいのに
そう思ってしまう俺をもし、桃先輩が知ったら、貴方はどう思うんですか?
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「あんな適当なこと言ってダメじゃん」
「残念ながらこれは先輩から聞いたんで適当じゃないんです」
「え、じゃあ本当?」
「うん。まあその相手が颯太だとは颯太自身も知らねぇだろうけど」
「凌央って性格いい意味で曲がってるよね」
「うるせぇ」
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