48話【音】


愛羅side


桃を送った後、桃のお母さんに別れを告げ

1人家に帰ろうとしていた。


「いいな。。桃、大好きな颯太くんと花火大会行けて。…はぁ、泣きそう」


笑顔で優しく接してくれる桃の人柄に颯太くんはOKして貰ったのかなと思うと、私はまだまだだなと思う。第1部活に行けば愚痴しか吐いてないもんな…捨てられるのもそのうちかもしれない。そうかんがえると胸が苦しい。


「…いるわけないのに」


気づけば花火大会の場所に着ていた。

行きたかった気持ちが素直に行動に写っている。大丈夫、きっと何か用事があって来れなかっただけ。それだけだ


「泣いてるね?何かあったのかい?」

「大丈夫です。」

「そんなこと言ってぇ〜あ、彼氏となんかあった?」


帰ろうとした時、変な男に絡まれた。

お酒臭い。酔っ払いめくんじゃねぇよとか思いながらもなかなかしつこい。その男は私の腕を触ろうとした時、誰かによってその手は塞がれた。


「俺の彼女に何か用ですか」


大好きな君が来てくれた。

これないって言ってたのに…。なんぱ野郎はさすがにこの状況に驚いたのか、舌打ちをし去っていった。


「ちっ、本当におとこいたのかよ。」




優しく抱きしめてくれる凌央くんの腕の中で聞く。


「凌央くん。。?なんで、、」

「先輩なら来ると思ったんですよ。…来てよかった。。はぁ、焦った」


第1連絡してくださいよ!と怒られたりもしたが、君が来てくれたことが何より嬉しくて、そんな声でさえ愛おしく思ってしまう。


「怖かった…」

「ちょ、先輩!?!?。…もう大丈夫ですよ」


遠くの方で花火の音が響く中、

私たちはそっと触れるだけのキスをする。



これが初めてのキスだった。

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