39話【なんぱ】


桃side


大好きな友人が、少しいやだいぶ塩で有名な凌央くんに連れされてしまったことにより私は1人になってしまった。まぁ、笑顔だったし、泣かせたら怒るだけでいいんだけど心のどこかで颯太くんが来てくれないかなとか思ったりしているのは何故だろうか。


クラスは1時間前に見た光景で話は賑わっている。まだ賑わうのもどうかと思うけど。。

全校生徒に広まるのはあと少しって所だろうか。何気に、知り合いが多くて人気者の2人だから。


「あ!部活っ!!」


忘れてた。やばい

時刻は10時になる5分前。やばい遅刻になるっ!浴衣を着ていることを忘れているかのように私は走った。




着くとまだ来ていないようだ。良かった、私は交代するねーと一言言うために茶道室に入ろうとしたが、その手は止められた


「えー。お姉さんかわいいね」

「浴衣も似合ってる」

「俺らに案内してよー笑」


ナンパだ。初めてだこんなこと恐怖でしかないこの絵面に私はどうしていいかわからなかった。肩を触られるやばい逃げないと、覚悟を決めながら拳に力を入れていると


「すみません。俺の彼女に何か用ですか?」


私とナンパ男の間に入りながら息が荒い颯太君が助けてくれた。走ってきてくれたのか、嬉しい。けど、彼女って何よ!!私を守るための言葉だろうに、やっぱりきみからいわれると照れてしまう私の顔は赤いだろう。


「ちっ、彼氏持ちかよ」


去っていくなんぱ野郎にしっしっと手を振る颯太くん。完璧に煽ってやがる。


「ごめんありがとうね」

「いえ、むしろ俺の方こそすみません。早めに来れたら良かったんですが。担任に捕まってて」


でも助けられて良かったですと呼吸を安定させながら言う。てか、改めて見るとほんとに顔が整ってるし、似合ってるな。私この子と一日いるの???大丈夫かな色々と。


「そろそろ時間ですよね」

「そうだね」


人数も人数なので、2日間に分けて分担した。それぞれ5組ずつにわけて1時間で交代。昨日は昨日でやばかったらしいけど大丈夫だったかな。


「頑張りましょうね」

「うん!今日は一日よろしくお願いします」

「はい。勿論です」


この後頑張って終わったお作法。

過去1番で上手くいったのではないかというレベル。お客様にも喜んでもらえたし良かった。これも君のおかげなのか?そう考えるとなんだがすごいなと思ってしまった

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