25話 【デート】

チュンチュン

小鳥の囀りが鳴る中起きた。割といい睡眠が取れた気がする。ベットから降りお風呂を沸かしに行く。沸かしてる間に朝ごはんを作る簡単でいいよねと1人思いながら3分で作ったパンを焼いたものとヨーグルトをテーブルに並べる。親はまだ帰ってきていない。泊まり込みならそう言ってくれたらいいのに


「いただきます」


サクッといい音がリビング中に響く。

熱々にいれたコーヒとの相性は抜群ですぐ食べ終わってしまった。10分ぐらい経ったころお風呂が沸きすぐ入った。待ち合わせまであと2時間。最寄りの駅までも行くのに1時間は掛かる急がくては…




「変じゃないよね…?」

あれから急いで支度した、時間はまだ少し余裕がある。ちなみに格好は春ぽいロングスカートに白のブラウス、髪は少し巻いてポニーテールにした。気に入ってくれるか不安ではあるが割と上手くいった気がする。メイクも初めてだが、動画を見ながらやった甲斐があった。ショルダーバッグに荷物をいれ、靴を履いて家を出た。


「行ってきます」


外は過ごしやすい気温で歩いていても気持ちがいい。いい日になりそうだ、すぐ来たバスに乗り最寄り駅に向かう。最寄りって言ってもバスで1時間かかるって…田舎だな…。






「早く着いちゃった。来てないよね」


時刻は9時45分。

待ち合わせよりも15分早くついてしまった。携帯を見るが通知はない良かった待たせてないみたい。そう安心していた時


「…先輩?」

「え、凌央くん。。?!」

「あ、良かったです笑。早かったですね」

「凌央くんこそ早いじゃん…笑」

「楽しみでつい笑‪笑。」

「私も(笑)」


どうやら同じことをおもっていたらしい。

黒のスキニーにベージュのコーチジャケット。インナーに白のTシャツを着ている凌央くんはいつもよりも数倍かっこよく見える。よく見たら髪もセットしてる…全部私のため?と思うとニヤけが出てしまった。


「先輩?」

「ん?ごめんなに?」

「いえ、なんでもないです。では行きましょうか」


そう言うと、手を差し出す凌央くん。

ま、まさか。。


「え?」

「手繋ぎませんか?デートですし(笑)」

「え、?!?!」


驚きながらも恐る恐る手を握りしめると、ニコッと笑う凌央くん。小悪魔だ…この人は小悪魔だ。。私の耳はきっと今赤いことであろう。リードしてくれるのは嬉しいがまだ付き合っていないのにこの子やってんな。。チラッとみると、“まずはー“と楽しそうに言っている、余裕なようだ。神様どうかこの人が赤くなるとこを見れますように…


「あ、着きましたよ」


どうやら、目的地に着いたらしい。


「え、ここは…」





凌央side


待ち合わせ時間より15分前。

思ったより早く着いた。先輩からのLINEは来ていない。まだ来ていないようだ良かった。流石に待たせるのにもあれだし、何かあっても嫌だしそう考えるとはやくついたのは正解だったかもしれないな。


1人そう考えながら近くの壁に寄りかかる。

昨日どこに行くかを考えたプランを見返す。まずは、あそこだえっと行き方は…どこから行った近かったか考えるうちに視線はまっすぐ、そう


「…っ」


愛羅先輩を見つけてしまった。

大人ぽい格好をされた愛羅先輩は綺麗で、春のコーデが似合う。俺こんな人とこれからデートすんのか。。?


「あ、悩んでる…‪w‪w」


ここで待っているのもあれだと思った俺は先輩の元へ足をすすませた。




「手繋ぎませんか?デートですし(笑)」


咄嗟に出た言葉だった。いきなり手を繋ぐのもあれかなと思ったが、照れながらも受け入れてくれた先輩。俺には聞こえてないと思ってるのかだいぶ大きめの独り言を言っている先輩、とても愛おしく感じてしまった。


ねぇ、愛羅先輩。

先輩は気づいてないかもしれないけど俺きっと顔が赤くなってるとおもいます

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