時戻しの錬金術師は花を捧ぐ

辺境の村に住む少女ユティアは、いつか村を出たいという夢を持っていた。
しかし、病弱な母の存在や幼馴染である婚約者アレスの存在がそれを許さない。

そんなある日、アレスから「一緒にこの村を出ないか」と持ち掛けられる。
突然のことに答えられないユティアだが、その時母が倒れたという知らせを受ける。
母を救うため、どんな病気も立ちどころに治すという秘薬を作るという「賢者さま」に会いに行くことに。

「賢者さま」はまるで女性と見まがうような綺麗な顔をしているが、仏頂面で不器用。
薬を貰うだけだったのに、そんな彼のもとで、なぜか雑用係として雇われることに……！？

彼と過ごすうちに、ユティアはアレスの持つ秘密やヘルメスの隠された過去に巻き込まれていく――。
内気な少女の成長の物語。