黒衣は踊る、されどツボ押し

十六歳の女子高生、佳弥は心が老いている。将来の夢は安定性のみを求めて公務員、老後の生活費のために小遣いも定期預金に入れる堅実っぷりである。そんな佳弥はある日、アルバイトの説明会に参加した。まともな仕事かと思いきや、世の中のツボを押して社会問題を解決する、という胡散臭い仕事内容に加え、アプリを使って変身しろと言われる始末。しかも、変身すると精神年齢に応じた身体能力を手に入れるという迷惑な機能付きである。お試し、と無理やり変身させられた佳弥は、自らが腰痛持ちの四十五歳に変じてしまう現実に直面する。こんなバイトはお断りだ、と思うも、説明会に同席していた青年サラリーマン、幸祐に押し切られるようにしてバイトをする羽目になる。
そんなこんなで、痛む腰を抱えつつも何となく世直しをする、真面目な女子高生の日常ファンタジー