パピコ後輩

 1


「先輩、ここに私が買ったパピコがあります」

「はい」

「全部私のです」

「はい」

「でも優しい私は先輩に分けてあげましょう」

「はい」

「では……この大きい方をどうぞ」

「そっちか〜」

「私は小食ですので」

「はい」

「でもやっぱり足りないですね」

「だろうな〜」

「一口頂いても?」

「はい」


 2


「先輩、パピコゲームをしましょう」

「まずパピコゲームが初耳なのですが」

「パピコを二つにして、先に食べ終えたほうが勝ちです」

「はい」

「勝った方は、負けた方になんでも一つお願いを聞かせられることとしましょう」

「はい」

「では先輩には」

「はい」

「この小さい方を」

「そっちかぁ……」


 3


「先輩」

「はい」

「パピコが冷たくて分けられません」

「はい」

「なので手を出してください」

「はい」

「先輩の手、あったかくて気持ちいいですね……では、再挑戦です」

「あの」

「はい?」

「私が代わりにやった方が早いのでは」

「わかってないですね、先輩は」

「はい」

「全然わかってないです」

「はい……」

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