爆発オチも怖くない

 どうやら爆発オチらしい。解決方法を探すことを早々に諦めて、僕と後輩は自由に過ごす。一緒に世界中を飛び回り、勢い余って宇宙にも飛び出す。世界中の美味しい料理を食べたし、宇宙の果てまで見に行った。大長編でも、こう書くだけなら数行で事足りる。

 死ぬまでにやりたいことを全部済ませてやることがなくなった僕らは、自宅で後輩とごろごろ過ごして時間を浪費する。無為な時間も、後輩といれば楽しい。こう書くと僕が彼女にぞっこんみたいだけど、元々僕は彼女のことが好きではなかった。どうして好きになったかを書くと、途中で爆発オチを迎えてしまう。

 やりたいことは全部やったから、あとはやりたくないことしかこの世界には残されていない、とは彼女の弁。やがて来る終わりを二人で待つが、百年が流れ、千年経ち、一万年が過ぎる。家がガス爆発したり、核爆弾が落とされたり、星が超新星爆発するところも見た。しかしまだまだ終わりには早いらしい。そうこうしているうちに宇宙が寿命を迎えてしまう。無の世界で、僕は後輩と過ごす。

 さあ、やっと終わりだ。そして世界の始まりだ。新しい世界がどんなものでも、後輩がいればきっと楽しい。そうして僕らはビックバンを見届ける。

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