おっぱいを好きなのは、男の子だけじゃありませんっ!
或木あんた
おっぱいを好きなのは、男の子だけじゃありませんっ!
第1章「おっぱい教徒の日常は、普通のラブコメじゃありませんっ」
第1話 神様、仏様、おっぱい様
「おっぱい」っていうコトバがある。
ほんの少し前まで僕は、「おっぱい」というのは、全男子が憧れる、夢と希望のつまった宝石箱みたいなものなんだって、漠然と思っていた。
――金髪の美少女巨乳転校生と、密室で二人きりになるまでは。
「…………」
「…………」
――気まずッ!
とある平日の放課後。
僕、現野夢人は、自分のコミュ力の限界に早くも絶望しております。
社会科準備室、と札のかかったホコリくさい教室で、担任教師に命じられた資料整理をやらされているところまでは、めっちゃ不本意ながら、腹いせに担任のチョークケースで草野球でもしてやりたくなるが、……まだ、いい。
しかし……、と僕はそっと横目で隣を盗み見、
「……ッ、あの、……何ですか?」
透き通るように綺麗な碧い瞳と目が合い、思わず逸らす。
視界の端で、彼女のきめ細やかな金髪が宙に舞い、彼女がそっぽを向いたのがわかる。
「…………」
そのまま再び無言になる美少女の名前は、宮歌まゆり。
本日、この地方都市の公立校に、転校してきた高校2年生であり、その可憐な容姿と丁寧な物言いから、この学校で今もっともバズっている人物であるのは間違いない。
なんでも前籍が東京のお嬢様私立校で、家も金持ちらしく、自身も北欧とのクオーターで語学に堪能だとかなんとか。
でも実は、これまで挙げた彼女に関する情報は、僕にとっては、さして重要ではないのです。
そう、僕が目も合わせられないほど緊張し、コミュ力の危機を痛感させられる理由は……、彼女の……。
そこで僕は内言を中断し、そっと宮歌まゆりの、……その驚異的な張りを見せる胸部へと視線を移した。
(この人、おっぱい大きすぎるんですけどおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!)
(……何! 何なのこのボリューム! 何なのこのおっぱい! 本当に女子高生!? グラビアアイドル顔負けのおっぱいだよ!? それでいて、別に太って見えるわけではなくてスタイルいいとか何なのッ? 本当に周りの女子と同じ人間ッ? ……ていうか実在してる存在なの!? 幻とかじゃないの!? ……ようするに……)
僕は、すっかり混乱しきった脳で。
(……神なの!? 神様なの!?〉
転校生のおっぱいを、神格化していた。
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