第25話 ちくドリ愛さない系男子と、おっぱい様
……え?
……どゆこと?
突く? 今、突くと言いましたか? 突くと言ったらもう、ひょっとしてあれですか? 前から後ろから、おしべとめしべ的な凹凸感のあるボルトナット系の、ぬるぬるねっとりして熱くて濃厚な、ハァハァしながらするあの突くですか?……って、
(――あああアフロディーテッ!!)
僕が淫乱な妄想に顔面を真っ赤にしていると、
「――『突きあう』なんて言ったら、普通乳首ですよね。ええ。そうとしか考えられませんッ! ですから彼は、自分の趣味嗜好をさらけ出すと同時に、同好の士たる私にその申し出をしてきたわけです……ッ!」
「ですよねー、あーびっくりしたー、唐突にぶっこまれた下ネタにどうしようかと思っちゃったけど、あーよかったー安定の変態コメントでー」
「下ネタ? 何のことですか?」
「えッ、いえ、なんでも……」
「そういえば」
「『前戯』の件もはぐらかされたままだった気がしますね。この際だからあわせて解説をお願いすることにしましょう」
「忘れてなかったのその話!? 忘れてほしかったってか今すぐ忘れて!?」
「……でも私、気になりま」
「言わせねぇよ? 古典部の大天使への冒涜だけは! まぁ、でも、いつまでも勘違いさせとくのもなんだし、どうしても聞きたいなら教えて差し上げるが、……その、」
「……後悔するなよ?」
「大丈夫! 後悔なんてしませんからッ!」
……。
「どどどどうしよう現野くん!」
「いや、もういっそのこと付き合え」
「ムリです!! だだだって私、昔からずっと女子校だったから男子に耐性とかないし!」
「その男子とついさっきまで乳首突き合おうとしてた方がここにいますけどね」
僕の言いようが妙に刺さったらしい宮歌さんは、
「おお同じ男子でも、ちくドリ愛する系男子と愛さない系男子は別物なの! 別の生き物なのおお!」
「論理の激しい飛躍についていけない僕ですが、これだけは確かです。全国の乳首ドリル愛さない系男子の皆さん、こいつでぇーーす!!!」
つまり、話を要約するとこうだ。
川上「俺と付き合ってくれ」
宮歌「つきあう=突き合う。突き合う=乳首しか考えられない」
したがって、「――つきあう=乳首ドリル!!」
……。
……アフォかッ!!。
……ちなみに宮歌さんには、ハナから突き合う=セ××スのイメージはなかったようだ。晴れて非処女の疑いが晴れるどころか、メンヘラお花畑系のお嬢さまであることが露見したわけだけど。
「……いや、それにしてもこれはひどくない? ちくドリ熱も結構だけど、少しは周りのことも考えないとさ。結局今回も、そのツケが周ってきただけだからね?」
「……あはは……わかってますよ……」と気力のない声色で宮歌さんは、
「……これから……私、どーすればいいのですかね……?」
ものすごーく遠くを眺めながら、憔悴しきった顔でつぶやいた。
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