第35話 おっぱい様と、彼の告白
……ちょ、ちょっと皆さん、きゅ、急展開です!
僕がおっぱい教徒を公言し、同時に川上を公開処刑にし、そして宮歌まゆりが盛大にクラスのトピックスに乗り遅れた日の翌日の放課後。
豊房高校の屋上にて。
……なな、なんか川上に呼び出されたんですけどおーーーーッ!?
僕は目の前で気まずそうにこちらを睨んでいる、カースト絶賛都落ち中イケメンこと、川上の視線に耐え切れず、心で叫ぶ。
(え、何ッ!? ……ハッ、まさか復讐とかッ!? 僕のせいで周りから、白い目で見られるようになってるらしいけど、その落とし前をつけに来たの!? 僕が油断した瞬間に後ろからチャラ男がグサリ、とか、そういうことッ!? 刺されるのッ!? 刺されちゃうの、僕ッ!?)
恨みを買うには身に覚えがありすぎて、僕はガクブルで川上の様子を伺う。
「おいッ」
「ヒッ!?」
突然口を開く川上に、僕は思わず飛び上がってしまった。
川上は無言で表情を引き締めたまま、僕にゆっくりと近づき……、
(……って、これ殴られるヤツじゃん!! ぎゃあああああー! 暴力反対!! 誰か助けてー!!)
と内心取り乱した僕の目の前で、川上は。
「一度しか言わねぇから、よく聞けッ」
そう言って距離を詰め、
来たる暴力の洗礼に固く目を瞑った僕の耳へ。
「――――弟子にしてくれッ!!!」
……恨みつらみのこもった怨念の言葉を吐いて、横っ面に殴打を……あれ?
「……え……?」
脳内で想定していた言葉と、現実に発せられた音声が違い過ぎて、僕の脳内はカオスと化す。
しかし、そんなこと川上はお構いなしで自分語りに入る。
「……俺、正直今までいろんな女と付き合ってきたぜ。付き合う人数が増えるにつれ、次第に何人の女子とヤれたとか、時には女の子騙してまでそういうことして、……それが楽しいって思ってた。俺はそれが好きなんだって。……けど、お前に言われて俺、やっと気が付いたんだよ、俺が好きなのは女の子じゃない、……おっぱいだ。……俺が女子と付き合うのは、おっぱいが触れるからだ。俺が本当に欲しかったのは、……おっぱいだけだったッ!」
めちゃくちゃ真面目な顔をして、イケメンが言い切り、
「要するに俺は、おっぱいが大好きだぁ――――ッ」
学校中に聞こえるんじゃないか、と思うくらいの大音量で、川上が叫ぶ。
……えええええッ!? 何言ってんのこの人――ッ!?
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