第18話 おっぱい様と就寝前に
帰宅後、汗だくになっていたためすぐにシャワーを浴びて食事を済ませ、完徹の影響で限界を感じた僕は、少し早めにベッドに横になった。
改めて今日一日を振り返ると、すごく疲れてはいるが、朝家を出た時の予想よりも、結果的にはよい一日だったのかもしれない。結局まだ社会的生活は続けられるわけだし。……まぁ若干、やっかいな人物に絡まれることはあったけれど。無視すればいいし。
背中にどこか心地よい重みを感じつつ、意識がだんだんと遠ざかっていく中……、
――ハッ!?
あることに気が付いて僕は愕然とする。
宮歌まゆりは、男の乳首が見たい、あわよくばドリルしたい。
そして、僕はおっぱい様を見たいし、あわよくばドリルもしたい。
僕は男の乳首を持ち、彼女は神おっぱいを持っている。
……つまり、
「乳首を担保に上手く立ち回れば、ワンチャンありってことッ!?」
自然と口角が上昇しかけるが、
……いや、待て待て。
浮足立ちかける思考に慌ててブレーキをかける。
(それにしても乳首ドリルはないわ! ドン引きを超えて生理的に無理でしょう、あれは。気づかずに「はんッ」とか言っちゃった事実は一生僕の黒歴史として埋葬しておきたいくらい恥ずかしいし。……それに)
僕は一人、布団の中でもだえ、
(……あれだけ男の乳首をディスった僕が、今さら手のひら返すなんてことは、死んでも出来ない! ヤツの主張を認めたとは言え、その趣味にまで迎合したとなったら、一度ならず二度までも、おっぱい教徒として完全敗北ではないですか。……つまり!)
……ヤツにだけは、これ以上一歩も譲りたくない!
敬虔系おっぱい星人としてのプライドが、沸々と湧き上がってきた。
明かりの消えた寝室に「ふは、ふはははは」とどこからか笑い声が漏れる。……もちろん僕だ。
(屈せぬ、屈せぬぞ、宮歌G92釣鐘! 不肖、現野夢人、いくら魅力的なおっぱい様の誘惑でも、決して自らの身体を、乳首ドリルという罪深い行いで汚したりはしない! 僕が目指すのは、けがれなきおっぱい様との黄昏のみなのだから!)
その後、「けがれなきおっぱい様との黄昏」をもやもやと想像し続けた僕は、結局、昨日と同じ寝付けぬ夜を過ごしました。
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