医療保険はお得なのか?

 彼と同じように株式投資を行い、現在公務員として働く、私とは頭のデキが違う弟と、そのことについて話したことがある。当時独身の弟いわく、確かこうだ。


 とりあえず30万ほど医療費として捻出ねんしゅつできる金があるなら、医療保険には入る必要はない。なぜなら高額医療費支給制度こうがくいりょうひしきゅうせいどで戻ってくるし、支払い金がない場合は、その費用の8割相当が無利子になる高額医療貸付制度こうがくいりょうかしつけせいどがあるからと。貯蓄がそれなりにあるなら入る必要性は感じないが、もし万が一の蓄えがないなら入った方が安心かもね、覚えている限りでそんなことを言っていた。


 この内容は数年前に話したことだし、人それぞれの現状やその他仕組み、社会の制度は日々変わるので正しいか正しくないかは私には分からない。


 ちなみに心配性であり、よく体調を崩す私としては心の安寧あんねいのためには多少支払う方がいいと思っていたクチで、その頃は月に一万近くの積立型医療保険の内容に加入していた。


 正直、支払いはきつかった。だが、貯蓄が全くできていない状態をうれいて始めたことだった。というその保険に一縷いちるの願いを込めた。


 病気をしても誰にも迷惑をかけたくなかったし、「毎月支払わないといけない」なら、こんな私でも貯金ができるよね、と。


 ___しかし生命保険料控除という制度を知らなかった私は数年間還付を受けずにいたのでが。ちなみに友人は親が保険代を支払ってくれ、本人は毎年還付金を五千円程度うけとっているらしい。


 医療保険や生命保険に加入している方は、是非忘れずにこの控除をしてほしい。年末が近づくと保険会社から郵送してくる書類を確定申告の時に提出するのだ。


 当たり前のことかもしれないが、私は悲しいことに誰からも教えてもらえなかったし、知らなかった。



※高額療養費支給制度・・・医療費にかかった一定の金額を超えた分が、後から払い戻される制度。高額な医療費がかかった場合、上限を設けて負担を軽減する。


※高額医療費貸付制度・・・医療費が高額になる見込み費用の8割を無利子で貸し付ける制度。


※積立型医療保険・・・私が加入していたのは三分の二は積み立て金として、三分の一が掛け捨て保険という形ものだった。


※生命保険料控除・・・一年間に支払った医療費に応じて受けられる控除。この制度により所得税や住民税の負担が軽減される。

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