売買のヒント その② 手数料・不動産

 そういえば挙げるのをすっかり忘れていたREITリート以前に購入した、毎月分配型非上場投資信託の小話もここに書こうと思う。それは「毎月分配」「高配当」で名打たれた投信だった。もちろんいいものを見つけた!と購入後に浮かれていたわけだが、恒例の彼の銘柄チェックによりボロクソにいわれ数日で売却することになる。


 「小春…これの手数料、確認してないでしょ。すごい高いよ。それに高配当って、ようはタコ足になる可能性も高いし…理解して買った?」


「…タコ足ってなんや。」


「パクパク自分の足を食べてるんだよ。わかる?タコが自分の足食べてるの。分配金は元本からでてるってこと。手数料も普通より高いし、たとえ利益が出ても手数料に食われたら意味ないでしょ?…うーん、五年で見てもパフォーマンスも全然良くないし…なんでこんなの買ったの?」


「…マイツキ、ハイトウ、シテルカラ。」


「だめ売って。…まあ、毎月分配型はお年寄りは好きだけどね…。年金みたいな感じで…。」


 翌日手放したそれは、確か微々たる利益がついていて、300円くらい儲けることができた。ちなみに今まで二回売買をした非上場型投信の売却については、値段を指定して売ることができないので売ってからしか売却値がわからないというところがある。(確か買値はその日の基準評価額になる。もう非上場投信は私はやらないかな。面白みが感じれなくて、未だよくわからないというのが本音だ。)


 というところで話を戻そう。前回のREITのことについてだ。何故彼がREITという間接的に不動産に投資を行っているのに実際には現物の不動産を保有していないのかというほのかな疑問が湧いた。ほら、よく資産がある人って土地を所有しているとかっていうじゃないか?実際に私の友人や血縁者でもアパートや土地貸で結構な額の所得を得ているという噂をちょくちょく耳にする。ここは自然とその疑問を訊ねてみることにした。


「ヒロさんさ、不動産はやんないの?知り合いも土地持ってて借地料で毎年入ってくるって聞くけど…。」


「だってさ、実際の不動産持ってもなんやかんや管理手数料とか差し引いて実質的な利回りって3%~とかじゃないのかな。手続きやなんやらもメンドクサイし、ならREITで同じ額を投資した方がいいよ、ほっとくだけで分配金も年に何回か入るし。そっちのほうがコスパがいいでしょ。」


 この人は本当にめんどくさがりというか、賢いというのか、多少なりとも納得しつつもダメダコリャ的な風が吹き抜けた感は否めない。そして私は足らない脳味噌をこねくり回してこう考えた「きっと自分で経営をしたいようなタイプの人が現物としての不動産を買いうのかしら?」もちろんリアルな不動産には全く縁のない私には到底わからない事だったが、だんだん彼のいう事の方が合理的なのかも…と、今までも口酸っぱく言われてきた手数料とが数日間ぐるぐるとしていた。



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