初めて借金をした日
仕事を辞める。
そう決意してから心配になったのは再就職するまでの生活費だった。
銀行口座の残金は残り僅かだ。一か月ものんびりしていられそうにない。
毎月のクレジットカードの引き落としは毎月督促状が来てから慌てて現金で支払う状態なのだ。常に一か月遅れの状態で支払いをしていた。
もうあれしかない。初めてのア○ム!
ではなくて銀行ローン。
足りない頭で考えついたのはうちの地元の銀行だ。とりあえず表記されているなかで一番金利が安いところにした。
ローンを組む時に身につまされたのは自分の信用度だ。
どうやら「金利」というものは職種や過去日頃の行いで変動するらしい。
※金利…貸金・預金に対する利息、元金に対する利子の比率(goo辞書
この銀行のホームページには公務員さんいらっしゃいよろしく、公務員は低金利!を打ち出していた。まあ、そりゃそうよね。
ホームページを見ながらクレジットカード支払いの延滞や、過去に市民税滞納、いくつかの督促が頭をよぎり、今までの行いから自分の社会信用度がどれくらい低いのか痛感せざる得なかった。
でも。(借金を)やるしかない。今やらないでいつやる!
これも経験の内だ!(借金を)
何故か意識して髪を整え小奇麗な服装をし、銀行に向かった。
借金の申し込みってこんな気持ちか。
信用されそうな身なりにして、いう事はお金貸してくださいかあ。。
番号を呼ばれ書類を色々書いたかな?
書き出してみるとうめき声が漏れそうなくらい自分でも信用できない内容だった。
とりあえず仕事を辞めるのは伏せて、勤務年数も長めに書いて、年収も盛ってみた。
さずがに一番高い金利にはならんだろ。いやいやその前に審査通るのかなあ・・・。
そんな不安を押し殺して涼しげな顔で書類を提出。審査の電話が来るのを待っていたと思う(細かい記憶消えてるのでご容赦ください!)
結果は・・・通りました!
でも。
一番高い金利。約14%。やっぱ信用なかったのかトホホ。まあこれで30万円の枠が借りれたからいいのか、なんて当時は思っていた。今考えると恐ろしい金利=利息の高さだ。
単純に返金の総額は34万2千円になる。利息で4万2千円・・・。
4万2千円払えば「一年間30万円を借りれる」、という考え方も今ではできるが。
初めての借金。30万。
なんだかそれが自分のお金のように感じたことを覚えている。
借金が膨らめば膨らむほど感覚がにぶくなるなんて話を耳にしたことがあるけども、あの人がお金を返さずに逃げたのはなんとなくこれかなあとも思った。
私は早速、15万円を降ろした。
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