神サマになった友人

 そういえばその話に触れていなかった。


 私はスピリチュアルがあまり好きでない。理由は題名から察して欲しい。

 ___いや、書いちゃうけどね。逆恨みされそうだが、これは事実なので、ここにお返しという名のリベンジをしたい。


 もしこの章を見て私と分かったなら、是非ともあの「15万円」を返して頂きたい。そうすればここに書いたことは取り下げるかもしれない。きっともうすでに次の被害者が存在しているだろうが。


 彼女は私より10ほど年上で、以前勤めていた会社の同僚であった。お洒落で皆から好かれ、姉御肌の彼女を私は姉のように慕っていた。そんな彼女から数年ぶりに連絡がきた。


 既婚者になった彼女は病気で休職しているという。当時新婚だった私は地元から離れた土地に住んでおり友人がいないこともあって彼女の訪問をとても喜んだ。


 昔から年下に気前のいい彼女は、弁当やお菓子、栄養ドリンクをいつも持参し、お金やお返しはいいから、と私に良くしてくれていた。あの日が来るまでは。


 再会から3,4回目の訪問時に事は急展開を迎える。


「小春、あのさ…すごーく悪いんだけどさ。お金貸してくれない?悪い!」


 彼女は部屋に上がるなり突然そう言い、私の足元に深く深く頭を擦り付け土下座した。突然のことに私は理解が追い付かず、頭が真っ白になった。とにかく先輩とも言うべき人にそんな醜態を晒してほしくない。


 私はすぐに頭を上げてもらった。彼女はハンカチで口元を押さえ今にも泣きだしそうな瞳で何度も、ちゃんと返すから、色付けて返すから、ごめんね、と呟く。

 やっと事態を理解した私は唾をゴクリと飲み込むとこう切り出した。


「…それで、いくら必要なんですか?」



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