目明けのファリナ

この世界ではない、別の「世界」にサフォニアという国があった。

サフォニアは元々人間の住まない土地であったが、ある時、異国からやって来た五人の魔女が協力し、肥沃で豊かな大地へと造り替えた。人間達は用意された楽園に家を建て、畑を耕し、文明を築いていく。

魔女達は彼らの様子を遠くから見つめ、互いに喜び合った。「これで私達も安泰だ」口々に胸を撫で下ろすも、一人だけは――笑顔を見せる事は無かった。

やがて笑わない魔女は「計画」を企て、四人の元を去ってしまう。夥しい罪を背負う事になっても、その魔女は迷う事を止め、我が道を歩み始めた……。