フレイオルタ正典

「空に続く海の果て」にある島を知っているかい？
その島の名は、フレイオルタ宙心島《ちゅうしんとう》。
またの名を――原動天。文字通り、天の動きの原点。
つまり、天に浮かぶ星々の動きを管理する機構《システム》さ。

今まで多くの人が星の管理者《アステラ》として、天使の代わりに星の動きを管理してきた。
けれど初めからそうだった訳じゃない。物事にはだいたい、「始まり」ってやつがある。
そう、一日が夜明けと共に始まるようにね。

この神話には、いろいろな「始まり」の物語がある。
世界と神の始まり、生き物と星と天使の始まり。
星を動かすことを放棄した、堕天使の時代の始まり。
そして、星の管理者《アステラ》の始まり。
そう、堕天使を倒して星を取り戻した聖女、セラ・フレイオルタの物語だ。

――フレイオルタ正典研究家・ドーマン教授の言葉