第73話 一等文士ヘイメカクトル

悪竜王が驚くべき力を誇り、戦いあう中で、悪魔王城ヘビュートも追随して、戦い、ついに、悪竜王の本体を大地に叩きつけて、地上戦を可能なところにまで持ってきた。「見たか悪竜使い!!! むっ! やつはどこに!?」

悪魔王セイカリテルは先ほどまで近くにいた一等文士の姿が見えぬことを、

「いや、いまは悪竜王を倒すことが先決、

 暗雲から切り離した奴をこのまま撃退してくれる」

一方、ユジリア同盟は、

「撤退撤退、退け、一団暴れるままの悪竜王から退き、隊を整えよ」

「むっ! 何か影が!! 悪竜の一部がこちらに飛んできます!!」

「なんだと、王陛下をお守りしろ!! くっ」

飛んできた悪竜の一部には翼が生え、それ自体に意志があるようで、

そしてその上に乗っている物の姿は、

「いずれかの一等文士か!!」

「ユジリア王、危険ですお下がりください!」

「一等文士、一等文士と己が滅ぼした国を忘れたか!!」

「なんのことだ!! 貴様、何者だ!!」

「我名を知りたいか? 我名はヘイメカクトル!

 ユジリア王よ! 知らずともわが恨み晴らしてくれる!」

「ヘイメカクトル?! いやその名その特徴

 ユジリアが十数年前併合した国のものか?」

「併合!違うな! あれは制圧だ!

 まともな武力を持たぬものを一方的な魔力で!

 これは復讐である、みよ悪竜王の姿をしかと」

「弓兵、射掛けよ!!!!!!!」

「さらばだ、ユジリア王!! 次に会う時は死んでいることだろうがな!」

「くっ奴は恨みからここまでの事を為したか!!」

「ユジリア王、ユジリア王、ユジリア王!」

「将軍、第二波を、悪竜王を討つぞ!! 悪魔王セイカリテルには話は出来ぬか」

「何をなさるので?」

「一時、悪魔王と停戦したい! いまは悪竜の動向が最も最重要の事ゆえにな!」

「では急ぎ使いを出しましょう! 魔法使い隊は百人で迎え!」

「頼んだぞ、この戦い、どうも雲行きが怪しい!!」


さまざまな思惑があろうともこの一等文士ヘイメカクトルの前においては胡麻粒の様なもの、空を飛び、すべてのものを記そうぞ!

 「悪魔王!!」「魔王ザザリアンか!!このような時に!」

「その命、貰い受けるぞ!!いくぞ光昭!!」「はっ!!!」

ザザリアンの槍が悪魔王に迫る時、光昭は瞬間移動しザザリアンを転じさせ、

両者の息がぴったりあって、悪魔王を追いつめる。

「剣を抜かせぬつもりか!卑怯もあったものだな魔王殿は!!」

「このままその首とらせてもらう、命を貰い受ける、うっ!?」

突然暗雲、が迫ってきて雷鳴が尾となり両者を打ち払う!!

「くあぁ、悪竜王めぇがあああああ!!!!!!!!!!!!」

悪魔王城と悪竜王の戦いは続く、片側が一撃を加えると、もう一方が反撃の咆哮とともに、火を吐き、相手を焼き払わんとする戦いは、激しく、そこに向かって。


「狙え、放てぇ!!!!!」


異世界転生高出力魔導砲の光りの柱が、直撃し、

両者が崩れおち、地に伏すも、


「やったか、いやまだか!?」


ふたたびもたれあって立ち上がる姿はおぞましく何度でも何度でも再起をかけて戦い続ける不死者対不死者の殴り合い、飛び散る血しぶきの重さで地面に大穴が空くたびに、足場も確かではないと、穴に転がり落ちて殴り合い、どちらかが完全に活動を停止するまで辞めぬという勢いだ。が、


「悪竜王トンベンマガスガトリクト五世、みせてやれ、その本領というものをな!」

爆音とともに強い息を吐くと、悪竜王トンベンマガスガトリクト五世は噴煙をあげて立ち上がり、火山の様に煙を吐くと急速にこれを吸い込み、天高くある、暗雲全部を吸い込む勢いで体に魔力を凝縮すると、一瞬で悪魔王城に向けて、吐き出し、これを完全に溶解、蒸発、散逸させて、破壊しつくしてしまった。

「くっこれまでか、これが悪竜の本気!」「悪魔王殿!ユジリアより来ました!」

「何事か!? いまは戦の最中、話してる場合か!」「一時停戦のお話です!!」

「・・・・・・」「いまや完全に形成は悪竜使いのものです、あれを野放しにしては戦にもなりますまい、どうかご尽力をこちらに参戦して頂きたく」

「しかたあるまい、そこな魔王夫婦も一緒にな」「なっ、何を勝手なことを!」

「悪竜を倒さねば我らに未来はない加わらせてもらうぞユジリアの同盟とやらにな」

かくて敵は悪竜王トンベンマガスガトリクト五世!

だが彼らはそれだけをみつめることはできなかった!!

「報告です報告!!」「何事か!」

「暗雲より、悪竜が何体も降ってまいりました!!」「なんだと?」

「悪竜王が悪竜の軍隊を!?」

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