第46話 思い出したこと

「悪竜の子種は?」

「持ってきたわよ」

「そうか、それでいい」

「で、どんな魔法を唱えるわけ?」

「魔法都市、魔法国家、超大国ユジリア」

「・・・・・・?」

「それで十分だ、な、トンベンマガスガトリクト」

悪竜の子種はそう言われるとうごめきだし、

持っていた兵士を押しのけて地面に落ちたばしゃりと、

そしてむくむくと起き上がろうとしているところに。

「魔法で縛りなさい!逃げられるわよ!」

「はっ!」

「待て!お前たちは悪竜が欲しくは無いのか!?」

「っ何を」

悪竜の子種は地面に染み込んで消えてしまった!

「なんという!?逃げられたの!?」

「逃げた?!ふふふははは!いや成功したのだよ!

 悪竜式はな!ハッハッハッハッハッハッ!!!!」

「どういうことなの、なっ!?」

「悪竜には餌が必要だ目一杯のな、まさか餌が、

 そちら側から与えてくれるとは、おもしろい!」

「魔法を餌に!?」

「これだけ膨大な魔力、どうなるか楽しみだ!」

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