第35話 掻き消えそうな松明

昔の話だ、たいまつ って言葉を知ってるかい?

まだ全然 たいまつ の漢字を知らない頃の話だ、

松明ってたいまつって読むんだな、特殊すぎて読めなかった。

そう、大概のものを読めないように出来てる、人間ってやつはさ、



たいまつ って何かしってるかい?

火が灯っていて明るい棒っきれの事さ、

知ってたかい? 知ら無かったかい?

いいってことよ、

知らないことのほうが多いんだ。

なんせ人間は一行しか記憶に留められない、

あとの文字列は忘れてしまうもんだからだ、

あらゆる文士はそうだ、

すべての事象を覚えて描いているわけじゃない、

部分的になんとなく知ってることを、

断片的に羅列して好奇心を、

集中できる限界を知って、

それを書いている。


あーあーキコエナーイ

といってごらん

それで読まなかったことになる。

大丈夫さ、まずは読むな、

文章の読み方を教えてやろう、

まず、読まないことだ、

つぎにページを開くことだ。

これで文章は読めるようになる。

ページをひらけば読んでいることになる。


ここは読んだ、ここは読んでいないが、

分かる理由は1つだ、

一行だけ知ってたからさ。

たった一行で運命は変わる。

一行を覚えて読み続けることで、

大概の人はものを読んでいる。

必要な視野は足りているか?

これくらいしか読めない。

十字は多すぎる。

八字に絞って描け。

みえてるか?

きこえてるか?

これがおまえの範囲だ。

よめる最小限の範囲だ。

この世界で演じるよ、

あらゆるキャラクタが、

アクティブくんが、

アッカイアちゃんと、

出会った物語です。

アクティブくんは、

運動が大好きです、

アッカイアちゃんは、

文字を書くのが好き、

今日はどんな文字を、

描いたのかな?

 簡単、今書ける、

たいまつって描いた。

たいまつは燃えてる、

ぼぉぼぉ燃えてる棒、

わかりますか?

きこえますか?

わかってるな?

文章を読めてるな?

なら大丈夫だ、

何だって読めるよ、

アクティブくん、

きみは文章が読める、

何だって読んじゃう、

だからどんどん、

賢くなっちゃう、

アクティブくんが、

賢くなるのが嬉しいので、

アッカイアちゃんは、

どんどんと文字を書きます、

ひとつ知ると、百になる。

そんなことが文章の世界ではあるの

いまはまだ四万字の世界だけれど、

明日には五万字かもしれない、

もっともっと読めるね嬉しいね、

続きを読むたびに、

読み進めるたびに、

人は賢くなっていく、

やがて全部を知った時、

つじつまを合わせようとする。

バラバラの子供たちが、

出会いを求めて集い始める。

読める範囲は広がったかい?

ほんの少し視野が広くなる。

そんな文章の書きつづりでした。

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