第29話 呼吸を乱さずに

「九行式ね」

トントの

歩くことで

素直さを

あくる物事

超人が現れ

酷いそぶりで

地上を埋め尽くし

反撃もしれぬまま

物言いを閉ざす

「あとでまとめてやる気?」

「まあそういうやり方を試すさ」

あまりの速さ

眼を回す

突然の

究極の力で

見た目が良くなり

尋常じゃない知性

リクテンは

やがてそうこうし

海に飛び込む

「もっと意味不明ね」

「たしかにそうだな、だがそれでいい」

高尚な物言いで

自慢し続けて

ものの見事に

人間を呼び込む

最小の予感から

基本をマスターし

心から願う、

反撃される

弱くなる。

「どれも組み立てる必要はなさそうだわ」

「そうか?なら九行式はやめるか?」

「だって結果が出てきてもつまらないのだもの」

「そういうものだ文が長くなるにつれて

 つまらなくなっていくのさ」

「ふーむ」

「お題があったらどうかしらね?」

「あったとしても同じことだろうに」

「わからないのに、まったく」

トントの歩兵部隊は居並び装甲を身に着けて前進前進、

歩くことで鳴り響く音は確かな甲冑合唱がようで頑丈、

素直さを取り柄としたトントが鍛え上げた舞台幾千、

あくる物事に連れ出され、戦場で勝ちを得つづけていたが、

超人リクテンが現れ、このトント歩兵部隊は潰走に潰走を重ねる、

酷いそぶりで様子を眺めていたクレイドンは魔人を呼び出し、

地上を埋め尽くし、一時的にトントの部隊を撤退させる。

反撃も出来ぬままのトントは次の手を考えるために、

物言いを閉ざすが、クレイドンの助けがあったことの、

あまりの速さにひどく怒り、クレイドンに詰め寄るものの、

眼を回す魔法をかけられて、すてんと転がる。

突然の閃きでトントは起き上がると超人を倒すべく、

究極の力でクレイドンとともに歩兵部隊を完璧に備えて、

格段と、見た目が良くなり華やかになった彼らは、

尋常じゃない知性を手に入れた。

その様子を見た超人リクテンは再び戦うために飛び込んで、

やがてそうこうし、なんとか超人リクテンを崖に追い込むと、

超人リクテンは海に飛び込んでこれを逃れる、クレイドン、

高尚な物言いで、「逃げるか逃げるか超人を名乗るものが」

更に自らの軍の強さを自慢し続けて挑発する。

ものの見事に超人リクテンの琴線に触れたのか怒りを受け、

かの人間を再び、戦いの最中に呼び込むことに成功した。

トントは最小の予感から超人リクテンの攻撃を理解し、

対超人戦の基本をマスターしクレイドンと肩を並べ、勝利を、

心から願う、歩兵部隊は次々と槍を構え超人に迫るが、

反撃をうけて、一方的に勝利とはいかぬものの

超人リクテンはトントの歩兵部隊より弱くなったことにより。

みごとトントは勝利を収めた。

「できたぞ九行式」

「全部つなげちゃったのね、

 読みづらいし面倒臭いわね」

「こうでなければやる気が起きなかった」

「一度始めた物語を三度繰り返すのは面倒だものね」

「どうしろというのだ?」

「本当ならやりたいことを一つに絞ってほしかったのよ」

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