第24話 この世界は淡々と

 おつかい、たたかい、あらそい、もめごと、

 はからい、おしごと、ともだち、あくにん、


ともだち、ってのを集ってるらしい、

悪竜マーケットで買い物するにあたっての、

土産物を運んでくれる用心棒みたいなもんだろうが、

だが、大人数になると結構、困ったもんだが、

それでも自由時間があるらしいから、

物見がてらに乗せてってもらうのが馬車だ。

揺られるのも車輪がきしむガタゴトも、

途中、おすのを手伝ったり、難所を引き上げるのも、

あれもこれも人の力と馬の力ときたもんだから、

二日がかりで、なんとかマーケットまでたどり着いた。

仕入れるものは決まってる、

竜の鱗に、竜の宝石袋、竜の鎧に、竜の槍、

なんでも揃ってやがるから、

おれはお礼にでも竜の小刀を買うことに決めた、

といっても一生もんの値段がするから、

こいつは褒賞としてクエストをやりきった時に、

支払われるもんだってなことにして思いっきり。

人の賑わいには飯屋もついてくる、

竜の肉で出汁をとったスープだとか、

本当か嘘かは分からないもののいい味出してるもんを、

かっ食らいながら、前へ前へ、

寄せてはくる人を互いに迷わねえように、

番号札でも掲げて互いに居場所を突きとめたら、

竜の代わりに金貨や水晶を依頼主は持ってきたらしく、

一大バザーにはなんでも金持ちが集ってくるもんで、

らくだに象と、いままで無いほどの賑わいときたら、

竜の担ぎものをもってきてじゃらじゃらとやるおたくらさんも、

どこでどれが鱗かは分からないが投げられた皿まで鱗だと、

目からうろことはいったもんだが、竜の死がここまで盛大に、

葬式あげられるもんだと知れば、なかなか賑わい悪くはねえな、

なんて言ってみたところでの話だが、沢山手に入れたものを、

馬車で持って帰るのも必死だとおもっていたが、

帰りはなぜかものが増えて馬車二台で悠々自適と来たもんだ。

おれはまわりのやつと歌でも歌って、

マーケットでの二日旅路での二日で一週間まるまる遊んだようなもんで、

このクエストの褒賞として竜の短刀と、金幾らかまで、

恵んでもらったというから、悪い話じゃなかった。

これからのともだち、というやつが出来た、商人の名前は、

覚えちゃいないが、また今度出会ったら、顏で思い出すさ、

悪くないもんで、借家に金入れたら、また、似たようなクエストを、

探してみるのも悪くは無いかもな。

さて、おしごとは?


 おつかい、たたかい、あらそい、もめごと、

 はからい、おしごと、ともだち、あくにん、

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