博元 裕央

祠破壊というインターネットミームを題材にした作品ながら、文化人類学的な要素も感じさせるＳＦ。
オチが濫用されたミームを本来の文化体系の中に還したように感じられて良作です。

特撮において本当に正義と悪のどちらが勝つのか分からない真剣勝負（ガチンコ）は可能なのか！？ 押し込まれた無理難題がもたらした、着ぐるみを着た上での真剣勝負をそのまま特撮番組として放…続きを読む

「ツクール×カクヨム　ゲーム原案小説オーディション2022」応募要項がそんな事言っちゃったばっかりに解き放たれた狂気を超えた狂気。いやこの作者にとってこのくらいの狂気は日常茶飯事な…続きを読む

実際の歴史も、確固たる現実のようでいて「どうしてそうなった」的な要素ままあるもの。 一隻の艦があり得ざる小砂利として紛れ込んだ歴史の歯車は大いに狂い、ＴＲＰＧで言うところのクリティ…続きを読む

タイトルで即死しましたｗ
……一話でもう一回即死しましたｗ
今後も何度も死ぬと思いますｗ

題材になっている文豪の生前を思えば、如何にも、確かにそのとおりだろうと、知的な刺激と面白みが感じられます。 そして文章が、実に格調高い美文！ それこそ、題材になっている文豪に勝ると…続きを読む

ゴリラが佐々木小次郎で戦う！ そんな小説なのに、いや実際ギャグ・コメディ寄り作品ではあるんですけど、それなのに剣術の理論描写が（ぶっとんでるけど）ちゃんと存在するし、剣豪の名誉欲や…続きを読む

ゾンビとかモンスターとか鮫とかからすれば、自分達がタイトルになってるにも関わらず最後に「本当に怖いのは人間」なんて〆られたら、そりゃ、腹立つよなあ。 凄く腑に落ちる笑いで、かつ、キ…続きを読む

静謐で、淡々とそしてひっそりと終わる、だけれども、確かに美しい。
そういう方向性のＳＦ短編の王道を行く、綺麗な言葉の華でした。

言葉の行き違いに疲れ、媒体が発達し、手軽な表現が流行っても。
それでも、言葉は大事なのだと。
台詞を殆ど使わずというより劇中人物が使えない状況が、逆に強く訴える作品だと思います。

勇者という言葉がファンタジーで職業めいて乱用されるようになって久しい。 だけど本来、勇者とは職業ではなく、勇気ある者を指す言葉だった筈。 この物語は勇者が出てくるファンタジーの典型…続きを読む

見事な語呂合わせ。 あれ？と、思わせつつ、なるほど正にそのとおり！と納得させてくれる、地に足のついた現代的な、それでいて伝統的な要素も含む〝この世のものでないもの〟。 楽しい作品だ…続きを読む

氷の怪物に侵略される十九世紀、主人公がまさかの少年ジューヌ・ヴェルヌという独自性のあるシチュエーション。 異常に変異してしまった世界の悲惨と見た事もない光景を、共に切実にありありと…続きを読む

凄まじい。 物語と言語をＡＩというギミックを介して予想もつかない形で活用し、展開し、分解し、分析し、再構築している。 フィクションとメタフィクションとメタ・メタフィクションを、視点…続きを読む

科学的でありながら科学を超越した、生物・生態系としての設定が濃密な怪獣達。 それに挑み続ける、好奇心で輝き燃えんばかりのポジティブな主人公！ 体を張り、知恵を絞る、まさに冒険、正に…続きを読む

ここまでされては、色んな意味で凄いと言うしかない……
それこそプリン１個食べるくらいの感覚で読める極大のぶっとびです。

インドの神話や叙事詩に詳しい人ならばぜひお勧め！ ああ、ああ！と、一つ一つの要素がぴたりぴたりとパズルのピースが嵌るように理解でき、正にコズミックホラーで宇宙の異常な真実に触れてし…続きを読む

兄妹の暗い関係、敵味方の複雑かつ濃密な感情と因縁。
まさにダークファンタジーという要素に満ち満ちた作品です。

本当に危うい所で成立している二人の関係。
無垢で綺麗で、壊れてしまいそうで、だから柔らかな空気なのに読んでいると何だかとても胸が切なくて。
とても心動かされる作品でした。

タフで優しい、だから、紛れも無く本物な、ちっちゃな探偵の物語。
さよならを言う（短編である）のは、少し早すぎる（もっと続きが読みたい）。
心温める（ハートボイルドな）物語です。

死。この身近にして最大の絶望にして最大の誘惑。 死に魅入られる人を何人も見てきた。 死への恐れは常に人の側にある。 これはその死の両面に寄り添い、見据えて尚笑う物語。 死に魅入られ…続きを読む

俗で猥雑でせちがらいそんな世界の一隅を一方的に否定する、滅ぼすような浄化・救済・悟り。 そんな間違った悟りに抗う、卑小で、等身大ぎりぎりすれすれででも青春で何より煩悩で本能で「生き…続きを読む

文学の悩みと青春の悩みが生み出す、とびきり甘い一万字の物語。 文字書き共感必須の悩みと悩ましいヒロインのすばらしい組み合わせが繊細な一皿のケーキめいて見事なラブコメを生み出していま…続きを読む

竜がいていいんだと。
他所の人が信じなくても、竜はそこにいるんだ、と。
それをよしとしてくれる、やさしい村のやさしい話。
こんな村が、こんな話があってほしい。そう思う物語です。

ファンタジー世界の種族の生態、文化、文明、宗教、歴史…… それらを未曾有の規模と精度で描き、その危険な独特さが妖しい魅力を放つ。 正に精緻にして巧みな、そして凄まじい労力を感じる素…続きを読む

江戸時代ゾンビものとして抑えるべき所をしっかり押さえつつ、登場人物の解釈等に斬新な部分も交えた、バランスの取れた作品。
そうそう、そうでないと、というゾンビもの成分たっぷりです！

笑い、うまいなあと思い、確かにそういう解釈もありだ！と膝を打ち…… 楽しんでいると「あれっ、意外と正しい？というかこっちが正しい？」と思ってしまいそうになる。 あるいは作者の同じ「…続きを読む

独特の設定・世界と、幻想的な、まさにファンタジーと言うに相応しい魅力ある柔らかで穏やかな描写、そして不思議で面白い竜との友情。
バランスの取れた優しく素晴らしい物語です。

決して出撃できないスーパーロボットは、他の作品とクロスオーバー出来るのか！？ いや世界観がクロスオーバーする事出来るんだろうけど、出来たとして登場したり出撃する事が出来るのか！？ …続きを読む

技術発展を描くＳＦ的面白さ！ ファンタジーとしての別世界を描く面白さ！ スーパーロボットものの面白さ！ 怪獣特撮の面白さ！ その全てが詰まったボリュームたっぷり魅力たっぷりの作品で…続きを読む

妖怪ものだけど、現代ファンタジーじゃない。 その理由は読めば分かります。 登場人物も魅力的ですが、物語の根本となるアイディアが、妖怪でありながら確かにＳＦなのです。 科学的思考であ…続きを読む

詳しく語ればネタバレになってしまうので漠然としたレビューになってしまいますが。成る程、広い宇宙にはこういう存在がいるかもしれないと思わせる設定です。 ちょっと宇宙的なホラーっぽいＳ…続きを読む

自然を保護すると人は言う。厳密にいえばそれはしかし、人類と現在の生物に適した環境に保つ、という意味だ。 自然とは、地球とは、もっと、お大いなる怖ろしきものだ。 それが動けば、生物の…続きを読む

ＴＲＰＧというのは、実に素晴らしく面白い遊戯・娯楽であり趣味であると私は思います。 その魅力が、ＴＲＰＧへの愛が、ぎゅっと詰まった作品です。 ＴＲＰＧを愛する人は、是非これを読む事…続きを読む

山姥めいたヒロイン（といっていいのだろうか）！？ キャッチコピーも紹介文もブッ飛んでいる！？ それでも尚、この物語は痛快だ！ ババアだけど、青春で、反骨で、乙女で、ロック！ 実にス…続きを読む

ホームズものの雰囲気を保ちつつ、インパクトと冒険心を兼ね備えた作品。 ちりばめられた当時の世相、歴史的人物、そしてその人物がどうなるのかというハラハラ、そしてバリツＶＳ八極拳という…続きを読む

主人公の出自は特殊でありながら、それはあくまで要素を強調するもので。 テーマ自体は、若者にとって極めて普遍的かつ切実なもの。 夢を持つ若者ならば誰しも持つであろう悩みを、極めて切実…続きを読む

スポーツ。料理。麻雀。アイドル。 この国の物語は多くの物語で「いや、そうはならんやろ！？」という展開を繰り出してきた。 球技で人が吹っ飛び、死に。料理のリアクションで天地が轟き、人…続きを読む

香車の如く猪突猛進、しかし、進む方向は角行の如く斜め！ そんなぶっ飛んだ作品です。様々な設定の詳細すらすっ飛ばして突き進むその様は、将棋というものにバトルを挑んでいるが如き有様。 …続きを読む

激突カンフーファイター、東京忍者、究極蛮人ダンジョーＶ、世界最後の魔境群馬県から来た少女、何かが深海からやってくる…… それらの類のライトノベルの歴史に名を残すアタマオカシイ系狂気…続きを読む

物語は一つの世界。それを未完結で放り出すのは、世界を滅ぼす位かわいそうな事なのだと、哀れな世界とその住人の悲しみを、骨肉で、皮膚感覚で理解させてくれる作品。
書け！書くんだ！

サイエンス・フィクションで、青春・フレグランス。
そんな感じの爽やかで愛らしい短編です！

神話的に、戦術的に、物理的に、極めて理論だって構築され描写される戦闘。 父と娘の、繊細で、切実で、悲しく、美しい、絆と愛情。 そのどちらもが呪という、怨念を以て緻密に細密に念入りに…続きを読む

ほほえましく、ほっこりします。 思わすルンバが欲しくなるくらい。でも感情移入しすぎてルンバが故障したら悲しくなりそうでもある、そんな話です。 童話絵本っぽいほのぼの短編が読みたい人…続きを読む

彼を改造したパウラ教団は世界征服を企む悪の魔術結社である。
改造オークはエルフの自由を守る為パウラ教団と戦うのだ！

文芸が飽和した時代、そして、技術が文芸に託される人の欲望にいびつに適応した時代。 びりりとした辛辣な風刺が効いた、それでいて如何にも有り得そうな未来を描く作品。 「技術が文芸に託さ…続きを読む

雄大で、閉鎖的で。
美しく、怖く。
確かに目の前に姿をあらわしながらも尚謎めいている。
短いのにそんな複雑さを持った作品です。

鯨の腹中のヨナ、ギリシャ神話等を精緻に組み込み、さながら神曲を思わせる程。 いやいや、そんな歴史や小理屈など、到底この尊さとは比べ物にならない。 唯唯、この物語は美しい。優しい。素…続きを読む

正にカクヨムでしかできない、カクヨムという媒体を２００％使い切った大傑作。 どうすればこんな作品を思いつくのだというほどの素晴らしいアイディア。 ああ、それにしても、私の作品も採掘…続きを読む

凄まじい勢い！カンダタが出て殴る！釈迦も殴り返す！仏の顔も今回だけは一度きり！三度も受けては再入滅！それほどのカンダタ！ ……というような凄まじい勢いの作品です。それでいて、カンダ…続きを読む