Evil Revenger 復讐の女魔導士 ─兄妹はすれ違い、憎み合い、やがて殺し合う─

作者 MST

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★★★ Excellent!!!

 主人公チェントが過去をふりかえる形で物語が進みます。冒頭はチェントの幼少時代から始まり、チェントという人物像、そして兄との関係性や環境がわかります。ここで物語を引き立てる重要な人物たちも登場しますがそれは後の話です。序盤の兄妹の様子は読者によって読み方が変わるかもしれません。
 そして序盤の流れが途切れぬまま、物語は一つの区切りを迎え、新たな環境のなかでチェントの変化・成長が描かれており、ここから風向きが変わり始めます。序盤で兄妹の関係性を見せておき、中盤からは様々な出会いを経てストーリーに厚みが加わります。
 ファンタジーにおいて、主人公の成長がこんなに悲しくなる物語は他に無いと思います。彼女の本性は私には断言できませんが、強くなるしかなかったのだと考えています。能動的に剣を振っていますが、何かが違えばこうはならなかったと思いました。彼女の心境の変化と人間関係にも注目してください。
 兄妹に焦点を当てた妹視点の話ですが、彼女の耳を通して兄や周囲の人物たちの気持ちを読むことが大事だと思います。また、小説として上手いと思った理由の一つに独白形式であることがあげられます。節目に自然と「その後」を匂わせることで読者は惹き付けられます。
 タイトルを読むと「復讐」という単語が出ていますが、実態は二文字でまとめることの出来ない感情で満たされています。実際に読み終わったとき、幸福感と悲壮感……他色とりどりの感情が胸を満たします。

★★★ Excellent!!!

戦いによって両親を失った兄妹はそれぞれがそれぞれを憎み戦場にて相まみえる。
各々の感情が入り乱れ、それでも戦いは終わらない。

表現が細かく戦闘シーンではひやひやしながら息をのみ画面の前で体を傾ける自分がいるとかいないとか。
とにかく読み終わるとあっという間でした。とても面白かったです。

#RTした人の小説を読みに行く、より翠恋暁でした。

★★ Very Good!!

#RTした人の小説を読みに行く

全18話を読了しました。
かつて10代の頃に読んだ小説を彷彿とさせる主人公による静かな独白で幕をあげるこのお話。不幸な生い立ちを強いられた兄妹の悲惨な生活から順を追って、妹の目線で綴られていきます。幼い故の、世間知らず故の、苛立ち言動の数々は兄ならずとも読者もきっと苛立たせるでしょう。そして初っ端からファンタジー要素の皆無さにも読者はきっと困惑するでしょう。でも安心して下さい。ここまではただの助走です。

いろいろな意味でのお話の転機は、敵襲を受け地方の砦に落ち延びる道中のベスフル国のお姫様の窮地を兄が救ったことで訪れます。さらにこのお姫様は兄妹の従姉妹であることが発覚。兄は着々と英雄への道を歩んでいくのですが、関係が拗れに拗れた妹の存在がそれに暗い影を落とします。
対して、妹は安定のダメさ加減です。受け身で甘ったれで周囲に流されっぱなし。この話本当に大丈夫?と不安になるくらいに読者の気を持たせ、遮二無二な一人助走を続けた結果、ついに妹に運命の出会いが訪れ、大きな跳躍の機会を迎えるのです。

ただダークファンタジーを謳うだけあり、美談では終わりません。
運命に翻弄されたが故に得たもの変わったものにより決定的な歪みが兄妹の間で生じてしまうのです。結末には賛否あるかもしれませんが、それは是非ご自身でご確認下さい。

文章は敢えてだと思いますが、分かりやすい表現に終始し、読み易いです。
ただ、ラノベファンタジーとして読むと幾分か地味な部類なので、チートなスキルで無双な復讐が好みの方はご注意下さい。

★★★ Excellent!!!

 主人公のチェントが可愛くて 悲惨で 素直で 苦境に立ち、愛されて愛したいと願っているのがひしひしと伝わる作品です。

 読み始めると完結しているので、一気に読破してしまう中毒性が高い作品です。戦闘シーン(銭湯シーンはありません。)の描写もすんばらしいので、しっかり気をはってお読みください。

 頼むよ…男はがむしゃらにもがいても狂おしいほどに愛しても…幸せになれんのかいの? だが、それも人生よのぉ…

 作者様の次回作品にも期待ですね!

★★★ Excellent!!!

非常に面白かったです。読みごたえがあり、暗い雰囲気やハードな描写もこのストーリーには非常にマッチしていて、とても魅力的な作品に仕上がっていると思います。
心理描写や戦闘描写など文章のレベルは非常に高く、読んでいて勉強になりました。話のテンポもよく、これほど濃い内容のストーリーを比較的短い話数で完結させたのもすごいと思います。
先の展開が読みにくく、この話をどう終わらせるのかとても気になりながら読み進めていました。私としては非常に納得のいくラストで、ちゃんと最後まで読んでよかったと強く思いました。

★★★ Excellent!!!

独白形式で9万字、耐えられるかな?と一瞬思ったけれど、気づけば読み終わっているくらいのテンポの良さが魅力。

‪「魔の谷の戦い」あたりから表現が濃密に、丁寧になって、それがすごく好みの文体だったのもあって個人的には序盤からこの濃さで読みたかったなと思ったり、いやいや悲劇のヒロインに酔ってる主人公のいまいち状況把握できてない目を通してるっていう前提だからあの書き方なのかもと思ったり‬。

★★★ Excellent!!!

 この作品の素晴らしいところは、キャラクターの造形だと思います。それぞれのキャラクターが丁度良い魅力を持ち、無駄に輝きを見せていないので、「くどいな」と思うことはありませんでした。主人公が活躍するので読んでいて楽しい、というのもありますが、話の構造、キャラクター同士の関係性などのバランスが絶妙に保たれているのが、読んでいて楽しい、もっと読みたいと感じた一因だと思います。

 先に申しますが、望まないのであれば以降は読まないでください。私が抱いた、この作品の改善点です。お気を悪くされるかもしれないので。ネタバレも含みます




 まず、主人公が血を嫌わずに敵を斬っていくのに違和感を覚えました。幼少期に兄からの暴力を受けていれば、少なからず、自分から与える暴力に対しても嫌悪感を抱くものと思われます。それを短期間の修行、それも人間ではない獣を斬ることで、躊躇せずに人間を殺していくのは都合がいいのではないかと思います。
 次に、主人公が戦闘と周囲の人間以外に、全くと言っていいほど興味を示さない点です。もっと掘り下げれば作品の深み(?)が出るのに、という私の願望かもしれませんが、いささか主人公が戦闘狂すぎるように感じました。ネモに対して絶大な信頼と好意を寄せているとはいえ、もう少し戦闘に関連しない描写があってもいいのかな、と思います。その方が作品に緩急がつきますが、物語がハイスピードで進行していくのもこの作品の長所だと考えているので、その辺りは人の好みで分かれるかもしれません。

 高圧的な感想で申し訳ない。ですが、できるだけ率直な感想を記した心算です。またツイッターでリプでも何でも送っていただければ、作者様の作品を読んで感想を書きたいと思います。

★★★ Excellent!!!

主人公チェントの過去の記録とその懺悔として描かれている今作は、確実に一読の価値がある名作だと思います。ラストシーンは少しインディ・○ョーンズ感があって好みではありませんでしたが、それを踏まえても良い作品だと思います。

チェントのトラウマと兄に対する復讐心が本人の視点で生々しく語られており、読んでいるこちらもそのチェントの暗い感情に引き込まれていく感覚でした。怖い怖い。
また、兄ヴィレントの秘めた苦悩もリアリティに溢れていて、それが表に現れていたシーンでは本人の視点を書かずしてここまで描き切るかと、作者様の才能と現実味を帯びさせるための知識にもはや背筋が凍る思いでした。
兄妹の憎しみと呪われた運命の物語のキーとなるのは彼女たちの感情の描写であり、作者はそれを描き切った。この事実だけで今作は名作であると言いきれるのではと私は思います。

良い読み物をありがとうごさいました。

★★★ Excellent!!!

ダークファンタジーらしい素晴らしいストーリーと息を飲む丁寧な戦闘描写、とても引き込まれて、読みやすい作品でした。

登場人物人物達のほとんどがなんらかの形で主人公、チェントを守りたい、救いたいとするのですが、運命のすれ違いでそれが叶わず連続する悲劇、そして怨嗟、次はどう転ぶのか?次はどうなるのか?と読み出したら続きが気になって仕方ありません!

★★ Very Good!!

 復讐をテーマとしたダークファンタジーは、いくつも読んできたのですが、それらとの最大の差を一言で表すと、私にはひとこと紹介の通りになります。

 復讐というテーマを一人称で扱うと、どうしても「これだけの酷いことをされた主人公」と「これだけの酷いことをした敵」という色分けがされてしまい、自己正当化とも取れる「だから仕方ないじゃないか」という言葉が導き出されてしまう事が多いと感じるのですが、それがありませんでした。

 敵となるヴィレントは「仇役」として描かれており、また主人のチェントも人格的な問題があるように感じる点が描かれています。

 行き詰まるような描写は、その双方に存在し、息苦しさを覚える事も度々ですが、最後まで読んだ時、それらの描写があるからこそ物悲しい、叙事的な余韻のあるエンディングになっていると思います。

 痛快ではない、復讐の持つ負の面を描きつつ、負の面を描いたからこそ見えてくる美しい光景がある事を強く思わされました。

 復讐の是非を問わない物語を書くには覚悟が必要だと思います。

 覚悟のある作者の物語を、たまには走りきる勢いを持つ気持ちで読む…最高の気分です。

★★★ Excellent!!!

ダイジェスト感覚で読み易く、ダークでシリアスな雰囲気と洗練された文体がマッチして、非常に読み応えのある物語だった。
徐々に成長していくチェントと、母の影に囚われ自責の念に駆られていくヴィレント。熱くなるような戦闘描写と共に対峙するこの兄妹の戦いには、圧巻するものがあった。
人間らしく生々しい、ダークファンタジー。
読後に唸らせてくれるような素晴らしい作品を書き上げてくれた作者に、称賛の拍手を送りたい。

★★★ Excellent!!!

不思議な世界観と不運に見舞われた兄妹……そしてすれ違って二人は敵対することになってしまいます。
読む人を選ぶと思いますが、重めのシリアスな雰囲気がとても好きです。いがみ合い、憎み合い、そして殺し合う兄妹の行く末に最後まで目が離せませんでした。

★★★ Excellent!!!

兄妹のすれ違いが国を巻き込みあらゆる人を巻き込んでいったダークファンタジー。
偶然と必然が重なり合い、対峙し、殺し合う運命だった兄妹の壮絶な物語でした。
主人公チェントの感情がしっかりと描写されていてとても読み応えがあり、全てが残酷でありながらも美しいと思えてしまう。そんな感動作です。感服しました。

★★★ Excellent!!!

長さは中編だが、面白いので短編のように読み終えてしまう。

一応、ファンタジーにカテゴライズされているが、重厚かつ壮大な物語をただの幻想と呼ぶのは惜しい気がする。

本作はそれほどまでに濃密なドラマが展開しているのだ。

とにかく、読むべし、としか言いようがない出来映えであった。

★★★ Excellent!!!

これが読み終わった今、一番しっくりくる言葉です。些細な言葉、些細な思い、些細な力が、いつしか多くの者を巻き込む想いの渦となっていく――。
チェントの生々しい感情の筆致もさることながら、戦闘シーンの描写も上手いなと思わされました。

残酷でありながら輝きを持つダークファンタジー、夏休みのお供にいかがですか。

★★ Very Good!!

読み手の想像が膨らむ濃密な物語でした。
戦闘の描写が細かく、映画のような
シーンが想像できました。

個人的には物語の終わり方が好きです。
そっと蓋をするように心を落ち着けさせる着地だなぁと感じました。
(口下手ですいません)

何が足りないチェントの思考と
壊れてしまったヴィレントの心。
すれ違うべくしてすれ違った運命は
こうも残酷で美しいのですね。

★★★ Excellent!!!

両親を失い兄と二人きりになってしまったチェントは、自分を養うため戦う兄から暴力を振るわれるようになる。彼女はそんな自分の人生を呪い、救いを求めて祈ることしかできなかった。
兄に守られ、周囲に流されなければ何もできない少女は、偶然と運命に導かれて剣士となり、やがて兄と戦うことを余儀なくされる。
愛するものを守るため、彼女は兄との戦いに挑むのだった。
か弱い少女だったチェントが色々な経験を経て成長していく姿に胸を打たれます。一人一人の登場人物の感情が強く読み手に伝わってきて、作品世界に没入せずにいられませんでした。

★★★ Excellent!!!

自らの罪を淡々と語り始めるチェント。
兄妹は何故、殺し合うほどに互いを憎まなければならなかったのか――

登場人物たちの内面が生々しく描かれていて、終始自分のことのようにゾクゾクしっぱなしでした。
バトル描写も説明口調でなく、読んでいるだけなのにその場で見ているような臨場感で物語を楽しめます。
これほどの物語をまとめ上げた作者様の力量に感服いたしました。

★★★ Excellent!!!

内容に関しては、他の方が触れているので別のご意見をば。
自分は読み手として経験が浅いので、とても癖が強い作品か、とても読みやすい作品かの、どちらかを好む傾向があります。
MSTさんの文字並びは後者であり非常に頭に入ってきやすい為、登場人物の心理描写や個性が、読んでいる側にとってとても刺さりやすいなぁと感じました。
その為、展開や人物配置が作品の個性として骨肉となっているのですが、その色合いがダークであると、今度は前者の面も押し出されている。
あぁ、小説ってこんな風に書くと伝わりやすいんだなぁと思わせていただいた作品で御座いました!
読み易い為に、押し出されているダークさが、より刺さるのだ!
俗に言うキャラが生きてる、勝手に動くとはこんな感じなのだと思います。

★★★ Excellent!!!

きっかけはほんの些細な物だった、それがいつしか取り換えの着かない傷となり、その傷が癒えることなく、二人の運命は周囲を巻き込みつつも転げ落ちていく。

すれ違いが硬直してしまった兄妹、それに群がる利己的な人々。何処まで行っても救いのない物語、これぞまさしくダークファンタジー。


「死神を食べた少女」の七沢またり先生を彷彿とさせる、色々な意味でどろどろの人情劇、いや刃傷劇は血に飢えた貴方にぴったりです。

救いのない物語を是非ご覧あれ。

★★★ Excellent!!!

チェントとヴィレント、兄妹でありながら――憎しみ合う運命にあった。
幼い頃に植え付けられた恐怖と、他の人から与えられた真っ直ぐな愛情――それは、チェントの運命を大きく歪ませ、そして二人の運命が、戦いへといざなっていく――。

一人称視点による怒涛の展開。独白による描写によって、続きはどうなるのだろうか、と読む速度が止まらなくなる。
ヴィレント、チェント、それを取り巻く無数の人物たちもまた、さまざまな気持ちを抱え、群像劇となって読者に語りかけてくる。
そして、迎える最後の展開。その後に、どういう気持ちにさせられるかは、貴方次第だろう。

何度でも思う。どうしてこうなったのだろうか、と。
そんなほどに切ないダークファンタジー

★★★ Excellent!!!

孤児となった兄妹が出会いと別れを繰り返し、最後には剣戟を振るうようになる話。
構成がまとまっていて、とても面白かったです。復讐譚とはまた違う魅力がありますね。初陣のあたりは非常に楽しく読めました。
昔の日本にも鳥居耀蔵という「蝮」と呼ばれる悪名高い南町奉行がいましたが、晩年は民に学問を教えるような敬い深い人間になっていたそうです。戦場を去ったチェントがこれからどうなっていくか――少し想像してみながら、ああ、これはいい作品だなと思いました。
また、何か読ませてくださいませ。

★★★ Excellent!!!

戦闘シーンがとても熱いです。
一人称の語り口調もあって、憎悪に満ちた一本の映画を観ているようでした。
ヴィレントとスキルドのその後が気になりますが、これだけの物語をうまくまとめた構成力は素晴らしく、最後までハラハラしながら読みました。

ダークファンタジーや剣を扱うバトルが大好きな人におすすめします。

★★★ Excellent!!!

読み終わって思ったのは「この作品に出会えてよかった」でした。

ストーリーの運び方、使われている文字や言葉、文章の書き方。どれも上手だからでしょうね、読んでいて情景が浮かぶだけでなく、容易く感情移入してしまいます。
私が終盤を読んでいた時間帯が夜中だったからでしょうか。泣きました(笑)。

登場人物をみんななんとかして助けてあげたいなんて思ってしまうのは、それぞれが良いキャラクターだからですかね。

今後の作者さんの活動に期待しております。

★★★ Excellent!!!

「兄さん、あなたさえいなければ、私はきっと幸せだった……」

正直トップに「コレ」がなかったら読んでなかったと思います。実際これに釣られて一気読みしました!


登場人物が少なく、全18話で無駄のない構成がぴったり収まっている。
1~3話読んで、主人公が悪いの?兄が悪いの?と、どちらの意見でも正しくなってしまいそうな、兄妹それぞれの気持ちがいろいろ考えさせられる話です。

「最後の最後に妹が悪い話になるのかな~」と読んでいてどきどきしてましたとも!


最後まで読んで、個人的には主人公が兄じゃなくてよかった~って思いましたが、兄やスキルドのその後も知りたかったなぁ。他の読者はどう感じるかな?

後日談や番外編など、新作もぜひぜひ期待しております。