確かにキャッチコピー、題名が、これ程までに内容と一致している物語は、非常に希有であると思います。
この物語を頭の中で風景にして思いうかべやすく、淡いオレンジ色の教室を容易に想像させてくれるのも、それらが一致し、イメージを膨らませやすいからだと感じます。
また展開も、「百万言を費やしても」という言葉がある通り、その方法であれば1万字どころか、それこそ百万字すら容易いと思える程でした。
それら全て、物語の中で登場人物が生きている、活動しているという息吹のようなものを受けられる程の文体だからです。
短編ながら、二人の関係を察せられる、長編に勝る1万字です。