概要
人類は月、そして火星まで居住区域を広げ、さらに違う銀河にまでその地域を広げていた。その中で広い宇宙の中で見出され、人々が移住し始めた小さな星。
その星で「夜粒」を使って人工的に「朝」と「夜」を創り出し、営みをはじめた。「コヒナタ」は「夜粒」を制御、管理をする地方銀河系公務員。平穏を愛し、平凡を好む。
しかし、ある一人の女性を好きになるところから、「コヒナタ」の平穏は少しずつ崩れていき、物語は加速していく。
毎日午後9時に更新(するはず)です。夜のお供にどうぞ。
おすすめレビュー
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- ★★ Very Good!!遠い星で繰り広げられる織姫と彦星の物語。多少のアクション有り。
メルヘンチックなSFです。純真な登場人物が織り成す物語。
主軸は主人公とヒロインの初恋物語みたいで、そこんとこは安心して読めます。遠い星の物語でも、男女の鞘当ては基本同じなんだなぁと。
「夜粒」の設定が面白いと思いました。舞台設定の1つのツールなんですが、最も重要なツールでもあり、「夜粒」に関する背景が暴露されると「えっ!」「へぇ」「へぇ〜」と読者は声を漏らしそう。
「ジカン」の存在も面白いですねぇ。「ジカン」と朝と昼の関係が非常に面白い。ヒロインと「ジカン」の関係を深掘りすると、もっと面白くなると感じました。最後は、人智の及ばぬ存在だから…と、まぁ納得しました。
丁寧な記述で、全体的にスト…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「夜」に逃げ込んで、「朝」に憧れて、「時間」を追い掛けて
ミヒャエル・エンデの『モモ』を思い出した。
小学生の頃に読んで、「時間」というテーマに心を惹かれた。
正直に言うと、当時の私には難しくて十分に理解できなかった。
今でも、「時間」とは何かと問われても、うまく答えられない。
本作はSFと銘打たれてはいるけれど、とてもやわらかい。
辺境の小さな地球型惑星を舞台とする日常ドラマが主調で、
辺境ゆえのローテクノロジーぶりが、ほのぼのしている。
登場人物は等身大で、そのへんの居酒屋に紛れていそうだ。
その惑星は月と同じように自転と公転の速度が一致している。
常に同じ半面が太陽型恒星に相対し、日は昇りも沈みもしない。
だから、人間が「夜粒」を使って「…続きを読む - ★★★ Excellent!!!共に歩みゆく。時間は我らの隣人。
朝と夜の無い星で公務員として働くコヒナタくん。
この話の中には、そんな彼の仕事や恋模様が描かれています。
コヒナタくんが暮らす様子や彼をとりまく人間関係、それらが丁寧に、しかしクドくない程度に描写されることで、読者は物語の世界にすんなりと入り込むことが出来ます。きっとあるよ、この星。きっと生きてるよ、この人たち。そう思わせてしまうほど、しっかりとした作り込みがされているのです。話を読んでいる中頃にはもう、この世界のことを大好きになっているはずです。
登場人物全員(登場"生"物含む)にもそれぞれ味があり、個人的な感想ではありますが、苦手な人が一人も出てきませんでした。一番好きになった人を選ぼ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!本物のSFです
八艘飛びで飛んできました。
凄いですこの作品。
一昔前に父や祖父の書棚で読んだようなSFの空気を色濃く残しております。
まさか! このカクヨムという環境でまさか! まさか! こんなクラシカルなSFに出会えるなどと思っておりませんでした。
私は砂漠で薔薇を見つけたような、何気なく入ったラーメン屋で神がかった味わいの塩ラーメンに出会ったような、ある種の得難い感動に襲われ「ふふ、最初はgoodにトドメておいて最後まで見たらexcellentにしよう」という計算を投げ捨て思わずのっけからexcellentにしてしまいました。
皆さんすぐに読んでください。本物のSFです。