鉱山都市ソウィリカの自律型構造体家族

　人間の魂を保存出来る鉱石――魂石が発見された未来。
　人類は魂石を巡る戦争の末、滅ぶ。
　その意思は、地球から遠く離れた魂石の産出惑星で模人――岩の身体に魂石を填めた自律型構造体――が継いでいた。

　模人で画家のイヨはナナナ、ヨッカ、マレニ、オパエツと五人組共同体――家族として、鉱山都市で暮らしていた。

　模人の繁栄から凡そ千年が経った都市に突然、模人が意識不明となる魂石崩壊症候群(ＳＣＳ)が流行する。
　魂石さえあれば身体修理により永遠の命をその身に宿すことができた模人だったが、ＳＣＳは彼らに死を齎した。
　同居人のナナナもＳＣＳにより命を落とし、イヨ達は新たな魂石の採掘を迫られるが、採掘の条件は――

「人間になること」