霊視喫茶を営むふたりきりの兄弟。霊視のできる兄は依頼人より金をふんだくりつつ願いを叶え、そして弟はそんな兄に戸惑いながらも誰よりも慕う。時に軽妙な会話を交わしながら、超自然的な事象に取り組むふたりの姿がコミカルかつ、時に重く、描かれます。ふたりの関係性に尊みを感じつつも、重すぎる相手への感情の意味、さらには罪に思いを馳せて進む物語。オカルト味はありますが、それよりもふたりの感情を追って、ちょっと内心をヒリヒリさせつつ読むのが個人的におすすめです。ええ、ヒリヒリします。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(203文字)
兄には死者の声を聞く能力がある。それを活かして喫茶店を営むという。それを聞いた弟は、兄のて伝いをすることを決めた。 死者の声を聞くということは、聞けなければ探している者はまだ生きているということだ。 そんな霊媒師としての仕事を裏稼業にした兄弟は、さまざまな出来事を経験することに。 その先に、兄弟に隠された秘密が待っているのだろうか。 死後の霊を扱いながらも、丁寧な筆致かつテンポの良い展開で、物語の先が知りたくなること間違いなし。 お手隙の方はぜひご一読くださいませ。
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