希少な生物や植物が住まう神秘の森シルフリーネ。その森の中で一人住んでいた、番人・ジークヴァルト。彼はある日、森の魔女であるリリアーネに「貴方のお嫁さんにして下さい」と、強引に押しかけられてしまいます。
ことあるごとに「結婚しましょう」とジークヴァルトへ一方的にぐいぐいと迫るリリアーネ。彼女にドン引きしつつジークヴァルトも、次第にまんざらでもない想いを彼女に対して持つようになっていきますが、中々受け入れようとしません。彼女を頑なに拒む彼には、ちょっとわけがあるようで……。
そんな二人を取り囲む、個性豊かで魅力的な登場人物達。リリアーネのライバル?ともとれる人物もいるとかいないとか!?
巧みな言葉遣いと、テンポの良いストーリー展開もあいまって、すいすい読めてしまう面白さです。
好きな人のために暴走してしまうリリアーネの健気で一途な姿に、惜しみない拍手を送りたくなリます。
「恋のフーガ」のような掛け合いをするこの二人、めでたく結ばれる日は果たして来るのでしょうか?
皆さん、この二人の恋の行方を是非一緒に追いかけてみませんか?
押しかけ女房さながら結婚を迫る森の魔女リリアーネは、クール無愛想でそっけないジークのお嫁さんになりたい……
と、文字で見ると静かですがこのリリアーネ、ぶっ飛びすぎていて何をやらかしても「結婚しましょう」に持っていけるパワーの持ち主。
だからと言って、全く嫌悪感を抱かせず、むしろ可愛いです。もう笑っちゃうくらい強引なのですけれど、可愛いです。
ジークも無愛想と書きましたが、素はとても素敵な優しい好青年。
コミカルに進んでいく本編は、中盤を過ぎたあたりからややシリアスになり、ジークの秘めていた事柄が明かされ……
シリアス&コミカルがバランスよく、読みやすくて面白いです。
そしてお話に彩りを加えているのはそれぞれの登場人物たち。
ジークを取り巻く周りの人々もぶっ飛び過ぎていて、気づけば「あれ? 普通なのってジークだけなのでは?」(褒めています)と思ってしまうほど。キャラが立つってこういうことを言うのでしょうか。
結月花さんは地の文章もお綺麗なので、小説の文章を味わうにもいいですし、漫画で読みたいな、と言う気持ちもしますし、
シリアスが好きな方にも、笑いたい方にも、おすすめです!
森の中で行き倒れてしまった魔女・リリアーネを助けたジークヴァルト。リリアーネは毎日かいがいしく、ジークヴァルトのお世話をしに来るようになりました。
料理、洗濯、お風呂の準備など、いたれりつくせり。頼んでもいないのに恩を返しに来るなんて健気……と思いきや、実はお婿さん探しの途中だったリリアーネ。ジークヴァルトに結婚を迫るのでした。
好きすぎるあまりに暴走してしまうリリアーネと、彼女に振り回される不器用なジークヴァルトのかけあいが微笑ましいです。
敬語を使いつつもぐいぐい来るヒロインは新鮮で、すぐに惹き込まれていきました。
倫理観がぶっ飛んだリリアーネに、ジークヴァルトはいつ陥落するのか。とんでもない押しかけ女房っぷりに頬を緩ませながら、可愛い二人を見守っていきませんか?