押しかけ女房フルパワー! あなたはこんなふうに愛されたい?
- ★★★ Excellent!!!
押しかけ女房という言葉がありますが、もしかして本作のヒロインのために生まれた言葉なのでは?
なんて思っちゃうくらい、ヒロイン・リリアーネは大好きな男性・ジークに猛烈アタック。もうね、逆プロポーズなんて言葉が可愛く思えますよ。愛してるのマシンガン。ジークのハートも穴だらけ……
……とはいかず。
カタブツ男子である彼はその愛をかわしまくり、弾きまくります。ジークはジークで背負う過去があるのです。女性を愛することができない、生半可ではない理由が。
しかしリリアーネの方も負けてはいない。マシンガンをガトリング砲に換えて撃ちまくります。そのうち対物ライフルでも取り出すんじゃないかという勢いのラブコール。ジークの鉄板ハートを撃ち抜けるか……?
そんなラブコメ色の強い本作ですが、世界観はかなりしっかり作り込まれています。そこに作者の描写力(心情描写と風景描写を重ねるのが上手い作者様なのですが)も相まって味わい深い作品に。ラブコメ色とシリアス色、一見すると相対するふたつの概念がうまいこと同居している。緩急、っていうんですかね。それが巧みでただただ「ヒロインが愛を叫んでいる」だけの作品じゃないところが魅力のひとつです。
そしてリリアーネの方にも涙なしには語れない、ジークを愛する理由が。
とても深いところで結ばれている、だけど片方が強火すぎて焦げついている、そんな男女を見たいあなた!
ぜひ本作を。
そして憧れの男性へのアプローチに困っているあなた。リリアーネを見習って「愛してる」のガトリング砲をお見舞いしてあげましょう。
大丈夫、この勢いで迫られたら、普通の男性なら蜂の巣にできますから!
空いた穴は、あなたで塞いで。