第9話 しおりの家出

学校に行くのが嫌。


行けば、

数人のグループから、

嫌がらせをされるから。


私が、何をして、

何の理由で、

苛められてるのか、

原因すら、

わからない。


最初は、周りの雰囲気。

物がなくなったり。

いわれのない事を言われたり。

どんどん、

一人ぼっちになる。


親に、苛められてるって、

迷惑かけたくなくて。

言い出せない。


だから、家にいても、

孤独になる。

でも、学校に行かないと、

心配かけるから、

嫌だけど、

我慢して行く。


そんな事を、

半年近く我慢して。。

本当に、限界で、

限界で。

苦しくて。


気が付いたら、

学校に行かず、

わたしは、

逃げ出した。


取り敢えず、電車に乗り。

取り敢えず、東京駅に来た。

取り敢えず、何も考えずに。

取り敢えず、駅の周りを徘徊してた。

夕方になって、

優しそうな、おじさんが、

声を掛けてきて、

最初は、

大丈夫って、

振りきったんだけど、

ずっと付いてきて。

ご飯だけでも、一緒に食べようって。


親身になってくれて、

ついつい、

家出の理由を、話した。

そうしたら、もっと、

凄く、優しくされて。

ご飯の誘いに。


「じゃあ、わかりました。」


って、言ってしまった。

それで、

おじさんが、泊まるとこ、

探してるなら、探してあげるって。


わたしは、世間知らずで、

そのおじさんが、

悪い人だって、

気付けなかった。。。


たまたま、席を立って、

トイレに入ったら、

綺麗な、女の人に、声をかけられた。


「あんた、騙されてるよ。」って。


「どう言う事ですか?」


って聞き返したら。


「あんた、飯食った後。。

泊まる所、有るとか言われてない?」


「なんで?わかったんですか?」


って言ったら。


「あの男に、これ以上、

着いていくと、

最悪、暴力振るわれたり、

無理やり犯されたり、

ヤク打たれたり。

あいつ、ゴムしねぇから、

妊娠させられるかもよ。」

って、言われた。


私は、血の気が引いて、


「どうすればいいの。。。

あの、おじさん、大丈夫だからって、

断っても、ずっと、

ついてくるんです。」


って、震えていると、


「そりゃ、何とかして、お前を、

やろうとしてるからじぁねえの?」


って言われた。


「嫌なら、逃がしてやる。」

って、言うから、


「助けて下さい。」

って、お願いしたら、


その女の人が、


「着いてきな。」って。


私を、おじさんから、

逃がしてくれた。


その場所から、離れた、場所で、


「お前なぁ。。どう言う

理由で、こんな事してるか、

わかんねぇけど。家が、ないのか?」

って言われた。


家は、有るけど、

学校での、苛めがあって、

暫く、帰りたくないって、

事を、彼女に伝えた。。


彼女は、少し考えてて、

「ま、ここで、あたしが、

無理に、追い返しても、

あんたの問題が、

解決する訳じゃないし。

そんな、義理もないしな。

それに、家を出るほど、

思い詰めてたんなら、あんたにも、

少し、時間もいるかもな。」



そう言ってくれて、

安くて、泊まれる場所と、

連絡先を、教えてくれた。

彼女の名前は、あけみさん。

言葉は、悪いけど、

私の話しを、聞いて、

受け止めてくれた。


「一晩、過ごして、

考えな。夜は、危ないから、

出歩くなよ。」

そう言い残して。。。


次の日、やっぱり、

どうしたらいいのか、

分からずに、あけみさんを、頼った。。


彼女は、身体を売るような

事をしないなら、仲間に、

してやるって言ってくれて、

友達の、りささんも、

紹介してくれた。

二人は、私の話しを、

聞いて、色々相談に乗って

くれた。

しかも、知り合ったばかりの、

私の、泊まる場所とか、

色々、世話してくれた。


「逃げる場所が、

あるなら、逃げたっていいんだよ。」


って、あけみさんは、

私に、言ってくれて。


あけみさんは、

自身に、起こった、

話を私に聞かせてくれた。

それは、私が、道を

踏み外さないため。。

凄く、冷めた感じで、

淡々と、話す。。。

絶対、話したくない話し。

それでも、私に、

言い聞かせる様に。。。


それを聞いて、

私は、苛めの事と言うか、

私の、今までの、辛いって

何だったんだろう?って、感じた。。。


数日して。。。

私に、捜索願が、出てて、

連れ戻される寸前まで、

側にいてくれて、家に戻る時には、


「お前は、友達だから。」って。


「今度は、ちゃんと、親にも、

あたしに、言った見たいに、

相談しろよ」って、

言ってくれた。


10日間の家出。

だけど、あけみさんと、

りささんに、逢えたから、

今の、私がある。


二人とも、私なんかが、

想像できない程、

辛い目に、合って来てるのに

それでも、私の話しを、

真剣に、聞いて、一緒に考えてくれた。


あの時、あけみさんが、

私の手を引いて、

助けてくれなかったら。。

そう考えると、とても、怖くなる。


私が、私で、いられるのは、

二人のおかげだから。。


私の、恩人で、大好きな、お姉さん。。


ずっと、一緒にいれたら、

いいなぁと、思ってる。。


結局、私が、

苛められてたのは、

私を苛めていた子の、

好きだった男子に、

告白して、振られた時、

その男子が、

私の事が、好きだから、

と、断られたのが、

原因で、それが、

エスカレートしたらしい。


今じゃ、何事も無かった様に

毎日を、送れているけど、

うちの、お父さんが、

学校を、相手取り、

弁護士やら、何やら、

大騒ぎしたらしい。


本当に、嫌な思い出だけど、

あけみさんと、りささんに、

逢えた、きっかけだから、

もう、気持ちを、

切り替えて、行こうって。

時間は、掛かったけど、そう決めた。


嫌な事ばかり、

考えてても、仕方ない。

あけみさんみたいに、

前を向いて、

生きていかないと駄目。

私の、憧れの人。。

私も、あけみさんみたく、

強くなりたいから。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る