第15話 キラキラ

「んー。朝かぁ。」

。。。ご飯の匂い。


って、嘘。


起きると、りさが、

起きていて、朝食を、

作ってる。


「おはよ。りさ、

どうしたんだ、今日は。」


「おはよ。あたしだって、

早く起きる事もあるよ。」


「そっか。」

つい、笑顔になっちまうな。

この一年で、りさが、

あたしより、先に、

初めて起きた。

クリスマスの朝に。


「ふふっ」と、りさの、

見えない所で、

嬉しくて少し笑う。


「あけみ、何か、朝から、

機嫌いいな。」


「まぁな。りさの、

おかげだよ。」


「なんだよそれ。

どーゆー意味。」


「ほら、早く、飯食って、

行くよ。」


「はい、はい。」


今日は、体調不良と言う事で

学校は、休み。


みんなで、集まって。

そういうのは、

今までも、何回もしてる。

だけど、今日のは、

クリスマス。

今まで、一度も経験したこと

がない。クリスマス。


まぁ、あたしらには、

クリスマスやったからって。

よい子にしてたって。

サンタは来ないって。

わかってる。


でも、どう言う物かって、

言うのを、経験する事は、

出来るよね。


今は、そんな、普通を、

拾い集める感じ。

普通を意識しなきゃ、

解らなかった、

普通じゃない、今まで。

悪い方の普通から、

本当の、普通を知るために。


バイトが終わり、足早に、

集合場所に。


空気が、

冷たくて、少しの息でも、

白が、浮かぶ。


「あたしが、

一番乗りかぁ。」


「お姉ちゃん」


しおりが、後ろから、

飛び付く。


「なんだよ。来てたのか?」


「ううん、

今着いた所です。」


「今日は、しおりにしては、

大人っぽいね。」


「えへへ。

頑張ってみました。」


「あけみさんは。。。

いつも、綺麗です。」


「なんだよ。それ。」


「お、りさも、来たな。」


改札から、りさが、歩いて

来るのが見えて、

しおりが、パタパタと、

走って迎えに行く。


りさと、しおりが、

じゃれあってるのを、

遠くに眺めて。。


「あたしらも、変わったな。」


と、つい、呟く。。。


「よし、行こうか。」


あたし達、三人は、

姉妹のように、

くっついたり、

はしゃいだり。

色んな物を、見て歩いた。


場所を変えて、

近くの、みなとみらいや、

桜木町なんかも、歩いて。


でっかいサンタの

ぬいぐるみに、飛び付く、

しおり。

そんな、姿を、写メしたり。

大きな、ツリーに、

キラキラ光る、

イルミネーション。

色んな所で、

景色を残した。


「あ、そうだ。今日の、

記念に、プリントして、

アルバム作ろうかな。」


「あ、私も欲しい。」


「じゃあ、3冊分作ろう。」


今日の、みんなの写メを、

一冊にまとめて。

私達だけの、アルバムを、

作ったりして。


「いいね。こう言うの。

みんな、視点が、少しづつ、

違うところなんかさ。」


コンビニで、プリントした

写真には、それぞれの、

視点が、残っていて、

とても、新鮮だった。


外で、外食も良かったけど、

あたしは、この時期の、

飲食店が、予約とか、

必要ってのも、

良く解ってなかった。


まぁ、元々、混んでる

場所で、飯を食うのは、

好きじゃない。


それに、

夕方から、クリスマスを

楽しむ為に、

チキンと、ケーキは、

買って、

家に置いてある。

受け取りに行く、

時間が、無いことに、

気付いて。。。


もう一度、ぐるりと、

クリスマスの景色を、

眺めてから、あたし達は、

少し遅めの帰宅をした。


「腹減ったなぁ。」


「じゃあ、チキン、

温めるよ。」


「私も、手伝います。」


あらかじめ、作り置き

した料理と、チキン。

ケーキを、並べて、

あたし達の、

クリスマス会は、

始まった。


大きな鳥の足に、

かぶりつき、あたしの、

作った、グラタン。

りさが、作ったサラダ、

それを、つつきながら、

楽しい時間は、続く。


あたしは、20cmは、

ある、クリスマスに

食べると言う、鶏肉に、

かぶりついた。


「こんな、でかい、

鳥、初めて食べたよ。」


目の前の、りさは、

食べずらそうに、


「あたしは、あけみの、

唐揚げの方が好き。」


「これだけで、お腹

いっぱいに、なっちゃう。」


「ケーキの分残して

置けよ。」


「うん。私は、半分づつ

食べて、残りは、明日

食べます。」


結構食べれると思ったけど、

そんなに、みんな、

食べれなくて、

半分づつ料理は残った。


「来年は、もう少し、

考えて、料理を作ら

ないとなぁ。」


「そうだねぇ。ちょっと、

気合い入り過ぎたね。」


「でも、美味しかったです」


「あけみ、料理、上手い

からな。」


クリスマスらしい、

デコレーションの可愛い

ケーキを、りさが、

切り分けて、珈琲を、

あたしが、入れる。


「きょうは、楽しかったね。

クリスマスが、どんな

物か、わかった気がする」


「でも、今回は、外出

しましたけど、普通は、

ご飯食べて、ケーキくらい

で、済ます場合も、多いと

思いますよ。」


「確かに、毎回、外出って、

ハードル高いかもね。」


今日の、締めくくりを、

ケーキを食べながら、

色々話して、クリスマスは、

終わった。


「プレゼントの交換だけど、

それぞれの、枕元に、

置いて、寝ないか?」


「なるほど。いいじゃん。

あけみの、案に乗るよ。」


「私も、賛成です。明日の

お楽しみですね。」


「まぁ、そうなんだけど、

しおりが、言ってたやつ、

枕元に、プレゼントが、

置いてあるっての、一度、

体験してみたいだけ。」

そう言って、苦笑い。


夜も、遅かったから、

さっと、シャワーを浴びて、

すぐに、寝る事にした。


子供の頃に、一度も、

味わえなかった、

経験。枕元にプレゼント。

サンタさんが、

何を、あたしにくれるのか。

それは、明日の、

お楽しみ。。。





































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