第14話 本当に

最近、あけみは、

しおりの、置いていった、

クリスマスツリーを、

良く見ている。


「あけみ、そんなにそれ、

気になるのか?」


「うーん。クリスマスってさ、

何なんだろ。」


「さあ。」


そう答えると、あけみは、少し、

また、考えながら、ツリーを持って、

眺めていた。


まぁ、あけみは、クリスマスを、

してみたいんだと、思う。


あたし自身、ろくでもない

親の所に生まれたから、

誕生日や、クリスマスって、

記憶にないんだけど。

ってか、どうでもいい事に、

なってる。。。


多分、親が、自分に興味

が無いから、

そんな、イベントが、

発生しない事わかってる。


だから、どうでもいいし、

期待すれば、心が痛い。


多分、あけみも、

そんな、環境だったと、思う。


誕生日を、祝うって、

やってみれば、

そんなに、難しくない。

そんな事。

それすら、無い様な家で、

育ってきたら、そう思うしかないよね。


今日は、あけみが、

夕食を、作ってくれてる。

そんな中、

思った通り、クリスマスの

話しをふってきた。


あたしは、あけみが、

やりたい事は、

やってあげたいから、賛成する。


まぁ、あたしが、

こんなんだから、

クリスマスを、

やりたいのかも、知れない。

あけみの、おせっかいとか、

面倒見のいい所は、

あの時よりも、

あたしは、暖かく感じてる。


結局、クリスマスが、

良くわからなくて、

しおりに、電話をして、

あけみの、声が、少し曇った。。


しおりが、小さい地雷を、

踏んだらしい。


電話を切ると、

しおりが、来るって話し。


しおりも、あたしらに、

気を使ってる所あるから、

さっきの、あけみの、

乾いた笑いに、

自分が、悪い事をしたと、

思ったのだろう。

それだけの事で、

うちに、来るって。

しおりは、本当に、優しい子。


あけみの、作った、

美味しい、野菜炒めを、

食べ終わった頃、

丁度、しおりが、やって来た。


うちに、入って、

速攻で、あけみに、謝る。

あけみは、そう言うの、

謝られる方が、

辛いと思うけど、

きっと、あたしと、同じ。

気にしない事にしてると思う。。


そっから、

イベント話で、盛り上がって、

あたしも、興味無かった

事も、あけみや、りさとなら

楽しそうだって、本当に思えたんだ。


あけみが、ノートに、

書いた、スケジュールは、

カレンダーに、書き写した。

私達だけの、予定表。


相変わらず、あけみと、

一緒だと、色んな事が、

経験出来る。普通なら、

誰でも、経験してる事。


あたしらって、逆に、

普通は、経験しなくて

良い事ばかり、

経験してて、最悪だ。

たまに、思い出しては、苦しくなる。


だけど、あけみは、

あたしが、辛い時は、

必ず、隣にいてくれる。

今でもそう。

怖い夢とか、見たときには、

目が覚めると、

あけみが、私の布団で、

寝てる事がある。


いつか、あたしも、

あけみも、しおりだって、

自分の道を、歩く時が、来ると思う。


色んな事に、無関心な

あたし。

そうやって、自分を、守ってきた。


でも、あけみは、

こんな、あたしを、

絶対に、放っておかない。

本当に、お姉ちゃん見たいな人だ。


たまに、思うよ。

最初から、あけみが、

お姉ちゃんで、

側にいてくれたら、

あたしも、こんなに、

ひねくれなかったのかな?

ってさ。


それは、無い物ねだり。

わかってる。

あたしは、あけみに、

会えたことが、幸運だった。

でなきゃ、あの時、

どうなっていたか。。。


そんな事を、繰り返し、

考える。。


だけど、前向きに、

ならないと駄目だ。

あんまり、後ろ向きじゃ、

あけみに、置いてかれちゃう

かな。。。


でも。あけみは、あたしを、

置いていかないだろうけど、

あけみの、足かせには、

なりたくない。本当にそう思う。


どうせなら、あけみと、

同じ所を歩きたい。

だから、あたしも、頑張ろう。


あたしを、お姉ちゃん

そう言ってくれた、

しおりも連れて。。。

三人が、一人立ちする時まで。













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