第2話 友達

あんなことを辞めると、

自然に、擦りきれてた、心が、

回復してきて、

今じゃ、あたしも、りさも、

笑うことが、多くなった。

つーか、あんな事を、

やってたから、バイトで、

金を稼ぐ事の方が、

身体の負担も、

心の負担も、少ない。


バイトのシフトを、

掛け持ちで、八時間やれば、

馴れるまでは、大変だったけど

今は、それなりに、上手く、

立ち回っている。 


「りさ、たまには、寿司、いかねぇ。」


「寿司かぁ。まぁ、

たまには、合わせるかな。」


今は、こんな感じ、

あいつも、

刺々しさが、だいぶ無くなって、

最近じゃ、過去話も、

ちらほらと、言ったり、

聞いたりする関係になった。


ただ、過去に、酷い家庭で育った、

あたしらは、

たまに、フラッシュバックの様に、

過去の、怖い体験が、襲って、

パニックになる時がある。。


一緒にいるあたしには、

最近、あんなことがあった、

りさに、頻繁に寝る時、

フラッシュバックが、起きてる事を、

知っている。。


あたしと、日中喋ったり、

バイト中は、平気みたいだけど、

夜、二人で、寝る様になると、

凄い汗と、震え。。。

そんなに、長くは、ここに、

いられないなと、思っている。。


そんな中でも、りさとは、

飯食いながら、何処の、バイトが、

お金が、良いとか、

あいつ、くそだとか、

今は、バカ話も、

出来るほど、仲良くなった。


「あたし達、友達みたいだな。」


そんな事を、あいつが、言うから、

あたしも、


「バーカ、友達だよ。」


って言い返した。

あいつ、マジ照れてて、可愛くて、

大笑いした。


そんな、あたし達も、もう少しで、

18歳になる。


そしたら、東京は、辞めて、

もう少し、安い金で、

家借りれる所、りさと、探す話を、

最近してる。


それまでは、あいつも、あたしも、

今出来る事、

珍しくちゃんとやってる。


そんなある日、りさが、

血相変えて、あたしん所に、

突然来て、飯屋で、バイトしてたら、

あの時の、あいつが、来たって話。


別の子、連れて、飯食わせて、

同じ事すんじゃねぇかって。

正直、あたし達に、そんな、義理は、

ないし、逆に、巻き込まれて、

酷いめに逢うかもしれない。

あたしも、

嫌な予感しかしない。。


それでも、りさが、

凄い心配するから。。

友達の期待には、応えたいし、

その被害に逢いそうな、

その子も助けたい。


りさは、顔を覚えられてる

かも、知れないから。

あたしが、仕方ないから、

バイト少し抜けて、その子の所に、

行って、暫く様子を見る。。。

相手の子は、やけに、幼く見えた。。。

中学生?

なるほど、ああやって、

ニコニコ話しかけて、襲うって事か。

あたしも、りさが、

被害にあっただけに、

頭に来ていた。。。


タイミング良く、

トイレ入った所で、捕まえて、

そのまま、着いて行くことを、

辞めさせるために、話し掛けた。。


「お前さ。」と、続ける。


「あの男といると。。。

薬やられて、

ゴム無しで、犯されるよ。」


忠告してやった。


そしたら、顔色変えて、助けて欲しい。

逃がして欲しいって。。。


でも、あたしだって、

全部助けてやれるわけじゃ

ないから。たまたま、あの子が、

運が良かっただけ。


言っても、聞かない子も、

いっぱいいるからな。


あの時の、りさみたいに。

まぁ、一応、あの子に、

連絡先教えて置いたから、

また、会うかもしんないな。


りさが、その後の話で、

女の子が、戻って来なくて、

機嫌悪そうに、店から出てったって、

言ってたの聞いて、

ザマァねぇよなって。


二人で、なんか、仕返し出来た様な、

気分になって、スッキリしたのを、

覚えてる。


次の日には、

早速助けてやった、あの子から、

電話あって、りさと、あたしと、

あの子で、一緒に、飯食って。。


あの子は、

しおりって言う子であたしらより、

二つ年下だった。家出も、

まだ始めたばっかで、

仲間にして欲しいなんて、

言うから。。


ウリやらないなら、

仲間っつーか、

友達になって、やんよって、

言ってやったら。


「ウリって、何ですか?」


だって。


細かく教えてやると、

顔色変えて。。


わんわん泣くから、

事情聞いたら、あの男に、

付きまとわれて、

無理やりつれ回されて、

あそこにいたらしく、

ウリとかの前に、男と、

したことなんて、無いって話し。


そんなんだから、マジに、

懐かれちゃって。


でも、あたしと、りさの、感だけど、

あの子は、

親の所に、帰れそうだって。


あたしは、

親が蒸発しちまってるし、

りさは、アル中の親に、

ひどい目にあわされて、

言うこと聞かないなら、

出ていけなんて、

言われたらしいから、

戻る場所がないんだよな。


しおりの場合は、

学校のいじめから、

逃げてきたって、話。

取り敢えず、親に相談もしないで、

逃げてきたから、

捜索願い出てるかもしんない。


まぁ、帰れるなら、

帰った方が、

良い時も、あるよな。

それに、あいつが、

家に帰っても、しおりは、友達だから。


そんな、流れで色々、

あいつとも、

仲良くやってたけど、

二週間もすると、やっぱり、

捜索願い出てて、あいつは、

帰って行った。。。


元々、あいつの所持金、五万円じゃ、

丁度、限界だったし、

この辺が、潮時だったと思う。。。


別れ際に、今度は、ちゃんと、

あたし達に、したみたいに、

親に相談するんだぞって。


それでも、解決しなかったら

また来ればいいって、言ってやった。


ヤバイのに、

引っ掛かってたら

あいつの場合、自殺してた

かも、しんねぇなって、りさと、

あたしで、喋ってたんだけど、

やっぱり、

助けて良かったなって話。


しおりは、あれから、

家に帰っても、週の半分は、

遊びに来るから、

結局、関係は続いてる。

苛めの問題も、家出した事で、

あいつの親が、

学校やら、弁護士やら、

大騒ぎしたみたいで、

解決するらしい。ちゃんと親に、

話も出来たみたいで、

本当に良かったねって。


そんな、話を聞くと、

少し、羨ましくなるけど、

正直、あたしも、りさも、

本当に、心から、

喜んだんだ。良かったって。


だって、友達って、そう言うもんだろ。

結局さ、あたし達、

どっちが、不幸かなんて、

競ってる訳じゃ、ないんだし。


最近じゃ、ずっと、バイトって

訳には、いかないよねって。

りさと、話してる。


まぁ、学歴ないから、

その辺何とかしないと、

いけないけど、今は、

基盤整えて、りさと、

高校だけは、定時か、

通信で、ちゃんと出ような、

なんて、話をしてる。


あたし達にして見れば、

その日暮らしで、

あんな風にしか生きられて

無かった事を、最近じゃ、

後悔もしてる。


まぁ、苦過ぎる経験だけど、

今、こう考えられてるって、

事は、何をしたとか、

どうとかより、

先の事を、考えられている、

今が、あるから、

まぁいいよなって、りさと、

良く話してる。。。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る