第27話 やだ

いっぱい、泣いて。。

お姉ちゃん達の、

心に。

心の傷に、触れた気がした。


いつも、お姉ちゃん達の、

入り込めない、雰囲気に、

心が、痛くなる。

お姉ちゃん達が、

遠く見える。


普通に育った私と、

普通に、

生きて来れなかった、

お姉ちゃん達。


初めて逢った時から、

ずっと、ずっと、

考えて来た。


でも。

そんな、簡単な事じゃない。

わかってる。


私だって、

生まれや、

環境次第では、

お姉ちゃん達と、

逆の立場だって、

あり得るから。


普通に育った私では、

お姉ちゃん達の、

気持ちを、

理解しようなんて、

出来ないかも、

知れないけど。


それでも、私は、諦めない。


私を、助けても。


何の見返り無く。


私を助けてくれた。


だから、私も。


見返りも、何も。


何もいらない。


ただ、お姉ちゃんって、

呼ばせてくれれば。


何もいらない。


そう思って、


お姉ちゃん達と、


一緒に泣いた、


誕生日。


誕生会は、


お姉ちゃん達を、


お姉ちゃん達が、


苦手な家庭に、


私が呼んだ。


そこが、間違いだったの?


誕生会の、お姉ちゃん達。


殆んど、料理も、


食べてない。


表情も、何処か、おかしい。


私も、お父さんと、


お母さんには、


お姉ちゃん達が、


こう言うの苦手だって、


事前に、伝えてある。


でも、甘かった。


私が、思ってたより。。


お姉ちゃん達の、闇は、


深刻だった。


お父さんも、お母さんも、


その場を、何とかしようと、


二人に、話し掛けたり、

してるけど。


二人の顔は、具合悪そうで、


見てられない。


私は、お父さんと、

お母さんに、

誕生会を、早めに、

終わらせる事にして貰い、

二人を、先に帰して。


事情を、前よりも、

詳しく話した。

あの事以外、全て。


お母さんも、

お父さんも、

暫く黙って聞いていた。


お母さんは、

衝撃過ぎて、泣いて、

しまった。


お父さんは、

絶句して。

暫く、考え込んでしまった。


お父さんは、

私に、二人の力に、

なってあげなさいって、

言ってくれた。


お母さんも、

側にいてあげなさいって、

言ってくれた。


でも、

あけみお姉ちゃんからの、

メール。


二人だけにしてって。


正直に、ショックだった。


お姉ちゃん達からの、

拒絶。


ショックと言うより、

恐怖。


このまま、言うことを、

聞いたら、二度と、

会えない気がした。


あけみお姉ちゃんが、

私の気持ちを、

考えずに、

こんな、メールを、

送るはずないから。


それでも、送ったメール。


本当は、すぐには、

ショックで、動けなかった。

お姉ちゃん達から、

拒絶されたら。

恐かった。


そこから、何も、

やる気が無くなって。

自分の部屋のベッドで、

うつ伏せになった。


涙が、溢れて、止まらない。

どうしようもない事なの?

私が、お姉ちゃん達を、

追い詰めたの?

あたしが、誘ったから?

あたしが、弱いから?

あたしが、

何も出来ないから?


自分を、落とす言葉が、

頭の中を、ぐるぐる

回り、私も、

辛くて、歯痒くて、

唸る様に、泣いた。


でも、泣いてる間、


頭に浮かぶのは、


あけみお姉ちゃんの、

優しい顔。


りさお姉ちゃんの、

優しい顔。


私は、いっぱい、

二人の、優しさを、

貰って、

いっぱい、話を聞いて、

貰って。

いっぱい、抱き締めて、

貰っていた。


泣きながら、

私は思い出した。


あけみお姉ちゃんの言葉。


「あたし達は、壊れた

心の、修復中だって。

それでも、構わないなら、

側にいて欲しいって。」

言っていた事を。


私は、身体を起こして、

思った。


言われて、へこんだけど、

これは、お姉ちゃん達の、

SOSなんだって。

そう思ったら、


「行って来ます。」


と、残して、

家を飛び出していた。


急いで、お姉ちゃん達の、

家に飛んで行くと、

部屋は、真っ暗で、

抱き合って、

泣き顔で、

寝てる二人の姿。


りさお姉ちゃんの、顔が、

凄く、苦しそう。


あけみお姉ちゃんは、

布団に潜ってるから、

見えないけど、

きっと、辛い顔を、

してるんだと思う。


こんな、辛そうな二人を、

目の当たりにして、

私が、一緒に暮らす前は、

こうやって、

乗り越えて来たのかな?

なんて、寂しくなる。

苦しくなる。

切なくなる。


この二人の隙間に、

私、入れるのかなって、

思う。


今日は、二人と、

話せるまで、

ここを去るわけには、

いかない。

そう思って、

壁に、寄りかかって、

座る。


お姉ちゃん達を、

見つめてると、

ぽろぽろと、

涙が、止まらない。


こんなに、優しい、

お姉ちゃん達が、

ずっと、何年も、

苦しんで生きて来た事が、

助けてくれる人も

いなかった事も、

好きで、身体を、

汚したわけじゃない。

好きで、駅前を、

生きて来たわけじゃない。

そんな、環境。

二人の親に、

悔しさとか、

色んな思いが、

次々と、込み上げて、


自分の膝を引き寄せて、

抱き抱えて、泣いた。


どのくらいだろう。。


ずっと、泣いていると、

布団が動いて、

あけみお姉ちゃんが、

起きた。。


暗くても、目があってる。

あけみお姉ちゃんが、

泣いてるのが見える。


りさお姉ちゃんも、起きた。

りさお姉ちゃんを、

見つめる。


りさお姉ちゃんも、

泣いてるのが見える。


ふたりが、私の前に、

座る。


泣きすぎて、

目の回りが痛い。


それでも、2人から、

目を離さない。


私は、二人の妹だ。


お姉ちゃん達に、

ちゃんと、はっきり、

言うために、ここに来た。


約束をさせるために。


でも、お姉ちゃん達の、

気持ちも、伝わってきて、

言葉が上手く出ない。

凄く、苦しい。


凄く辛いはずなのに、

また、私を、

抱き締めてくれる。


今の、私に出来る、

精一杯の気持ちで、


辛い時は、

ちゃんと言ってくれる様に、

約束させた。

約束して貰った。


それが、破られたら、

もう、私は、

妹じゃなくなる。


それだけは、やだ。

だから、そうならない様に、

私も、ちゃんと、

二人を見つめていよう。

そう思った。


お姉ちゃん達と、

気持ちを伝え会って。

仲良しの、姉妹に戻って。

一緒に、お風呂入って。

お風呂から出たら、

いっぱい、抱き締めて

貰って。あたしも、

胸いっぱい、

お姉ちゃん達を、

抱き締めた。

私は、ずっと、側に、

いるよって、

言いたくて。。。


いっぱい、いっぱい、

抱き締めた。

離れちゃ、やだよ。

お姉ちゃん。って。


大好きな、お姉ちゃん達に。

思いを込めて。。。

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