第47話 大好き   「最終話」



今日は、高校の卒業式。


四年間、ちゃんと最後まで、

通った。


思えば、諦めていた事が、

いっぱい、あって、

例えば、この高校だって。

行けないと、思っていた。

でも、行こうと思えば、

行けるんだって。

あたしは、知ってる。


「ねぇ、りさ。」


「なぁに、あけみ。」


「卒業式終わったら、

車で、しおり乗せて、

江の島行かない?」


「あ~。懐かしいね。

免許取って、最初に、

ドライブした所。」


「うん。」


「しおりも、喜ぶよ。」


「なんか、楽しいね。」


「お姉ちゃん達。」


「あ、しおり来てたんだ。」


「当たり前でしょ。

お姉ちゃんの、

卒業式に来ない妹が、

どこにいるのよ。」


「やっぱり、しおりは、

可愛いね。りさ。」


「だって、あたしの

妹だもん。可愛いに、

決まってるじゃん。」


「また、始まった。。。」


「ほら、早く並んで。

私、ちゃんと、見てるから」


「は~い。」


しおりも、予定通り、

短大に入って、

経営を、学んで、卒業した。


しおりは、相変わらず、

余り、

背は伸びなかった。

見た目も、成人しても、

中学生見たいで、

相変わらず、可愛い。。。


洋食屋さんも、順調に、

続いている。

今では、常連が、更に、

増えて、七時開店で、

一時には、売り切れに、

なる程、お客さんが、

入る。


パン屋のおばさんも、

相変わらず、元気で、

毎年、お墓参りと、

お盆は、おばさんと一緒に、

過ごす。


しおりの、お父さんと、

お母さんとの、関係は、

良好だし。

誕生会も、ちゃんと、

リベンジ、成功して、

あたしも、りさも、

もう、フラッシュバックに、

悩まされたりしない。


あたしも、りさも、

卒業証書を、受け取ると、

一つ、何かを成し遂げた、

そんな気持ちに、

嬉しくなった。


「しおり~。」


「お姉ちゃん達、

卒業おめでとう。」


「ありがと、しおり。」


「ねぇ、りさとも、

話してたんだけど、

江の島行かない?」


「あ~。行きたい。

また行こうって、

約束したもんねあの時。」


「じゃあ、家帰ったら、

江の島行こ。」


「しおりも、運転する?」



「うん。」


最近は、みんな、20歳、

越えたから、少し、

お酒も飲んだりして。


まだまだ、色んな事を、

経験中。


駅まで歩く、この道も、

もう、

通わなくなると思うと、

少し、寂しい気分。


あたし達は、普通を、

追い求めて、

知らない間に、

普通を、追い越して、

今は、自由を、

手に入れてた。


「あけみお姉ちゃん、

これからは、ほんとに、

ずっと、一緒だね。」


「そうだねぇ。学校が、

無ければ、みんなの時間、

いっぱい、あるね。」


「あけみ、何するか、

また、スケジュール、

考えないとね。」


「うん。そう言うの好き。

凄く、楽しいね。」


「あ、また、あの、

ログハウスも、行きたい。」


「あ、お風呂広いもんね。」


「あたし、あけみに、

抱っこしてもらお。」


「りさお姉ちゃん、

ずるい。あたしも。」


「はい。はい。

順番ね。もう、

みんな、

子供じゃないんだからね。」


「子供じゃないよ。妹だよ」


「そうだよ。妹に、歳、

かんけいないもんね。」


「あらら。まぁ、そうだね、

お姉ちゃんって、大変。

でも、可愛い、妹の為なら、

仕方ないか。。。」


電車に乗って、

自宅の洋食屋に、到着。


二階に、荷物を置いて。

お母さんの、

写真の前に、

りさと、一緒に、

卒業証書を見せる。


「お母さん、無事卒業、

出来ました。卒業証書、

ここに、置いておくから、

見て下さい。」


そう言って、手を合わせた。


「すぅ。」と、

深呼吸する。


「じゃあ、お出掛け、

しようね。」


後ろで、見ていた、

妹達に、話し掛ける。


「江の島、2年ぶり?」


「そうだね。あの時、

何食べたっけ?」


「はまぐりと、しらす丼」


「りさ、良く覚えてるね」


「嬉しい事と、

楽しい事は、忘れない様に、

してるの。」


「また、はまぐり食べたい

あけみお姉ちゃん、

食べさせて。」


「あたしも、食べたい。」


「わかったから。」


「さぁ、行くよ。」


「は~い。」


「お姉ちゃん大好き。」



      完






後書きになります。

最初に、ダークブルーを、

書いていて、本当は、

もっと、

短いお話の予定でした。


血の繋がりの無い、

三姉妹の、お話しですが、

普通の、

学園物とかじゃ無くて、

元々が、僕が、最近の、

ニュースを、見た所から、

そんな事が、世の中に、

あって、いいのかと、

思いながら、書いた話し。

僕自信も、そこまで、

良い環境で、育っては、

いませんが、

それでも、

色んな葛藤があって。

僕なりの、話が、

ダークブルーです。


何回も、書いてて、

僕も、苦しくなったり、

しましたが。

頑張って書いたので、

感想があったら、

教えて下さい。

PVが延びたら、

花火大会の話とか、

しおりの、卒業とか、

書きたいと思ってます。


最後まで読んで頂き、

本当にありがとうございます

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