第18話 料理の朝に
朝。。。電話で、
起こされる。。。
「ん。。。。」
流石に、あたしも、
予定外の、早朝の電話に、
反応が、追い付かない。。。
手探りで、「パタパタ、」
手を泳がせる。。。
スマホを、握って、
画面を、タップする。。。
「おはようございます。」
「。。。。。。」
しおりの声。
でも、外は、まだ暗い。。。
眠い目で、時間を見る。。。
まだ、朝の6時。
「はぁ。」
と、ため息一つ。
でも、同時に、しおりから、
明日、何時くらいから、
おせち料理つくるんですか?
と、昨日、聞かれた時に、
あたしは、朝から作るよ。
確かに、そう答えた。。。
眠いながらに、ああ。
なるほど。と、納得。
あたしの、朝と、
しおりの、朝には、
どうやら、二時間以上、
ズレが、あるみたいだ。
「しおり、おはよう。
今何処に、いるの?」
取り敢えず、そう質問。
「今、駅に着いたんで。
後、20分くらいで、
そっちに、着きますよ。」
心の中で、「マジかよ。」
と、呟く。
「はい。楽しみに、
してたんで、早く、
来ちゃいました。」
「わかったよ。気を付けて、
おいでね。」
あたしは、りさを、
グイグイ揺すって、
起こし。
事情を説明した。
「マジか~。」
「そうなんだよ、しおり、
相当楽しみに、
してたんだな。」
「でも、まぁ。
こんな日が、あっても、
いいのかもね。」
「早く、布団たたもうか。」
「そうだね。」
朝から、ドタバタで、
始まって。
しおりを、あたかも、
起きてましたよって、
感じで、迎えた。。。
今日は、台所とテーブルを、
使って、みんなで、朝から、
野菜の皮剥きをしたり、
刻んだりしてる。
「3、4センチに切るかぁ。
こんなもんかね。」
ブツブツ言いながら、
あたしは、黙々と、
里芋やら何やらを、
皮を剥いては、
刻んで。。。
「ふぅ。これで、
煮物の、材料完成。」
「次は、ああ、なるほど、
こうするわけか。」
横で、同じく、人参の、
皮を剥いてる、しおりが、
たまに、こっちを見て、
楽しそうにしてる。
「なんだよ、楽しそうに。」
「楽しいですよ。
あけみさんの、隣。」
「なんで?」
「ずっと、独り言
言ってるから。」
「ん。あたし、何か、
言ってたか?」
「しおり、それ、
いつもだから。。。」
りさが、台所から、声を
掛ける。
「あははっ。いつも
なんですか?」
「そう、うちのお姉ちゃん、
独り言が、多い人なんで。」
「りさ~!」
あたしらは、口数も多く、
楽しく、おせち料理作りに、
励んだ。。。
「はぁ、めんどくせぇ。」
言葉を、こぼしながら、
栗の皮を剥く。
「お姉ちゃんが、
頑張らないと、くりきんとん
食べれないよ。」
台所から、りさが、あたしに
激を飛ばす。
「いやぁ、なんかさぁ。
飽きるんだよこれ。
小さいし。」
「私、これ終わったら、
手伝います。」
「ありがと~。しおり。」
台所では、りさが、肉を、
調理していた。
「あけみ、ちょっと、
味見てくれる?」
スッと、栗から手を離し、
りさの、料理の味見。
小皿にちょっとすくって、
一口、すする。
「美味しいねぇ。
この味好き。」
「そう?」
りさも、にっこり。
「じゃあ、これは、
このまま、味が染み込むまで
放置だね。」
「次の煮物は、あけみが、
作って。
栗の皮剥きは、あたしが、
やってあげるから。」
「はーい。」
りさと、あたしは、
ポジションチェンジして、
栗の皮剥きから、
あたしは、脱出した。
少し大きめの鍋に、
野菜を入れて、火に
かけながら、
かき混ぜる。。。
「ん。静かだな?」
振り返ると、姉妹が、
テーブルで、工作をしてる
錯覚に落ちそうに、
なる光景が、あった。
「ちょっと、静か過ぎない?」
りさが、こっちを見て、
「さっきから、喋ってるの、
あけみだけ、だからな。」
「そうだっけ。」
「そうだよな、しおり。」
「はい。あけみさんが、
ずっと、独り言、
言ってた、だけです。」
「そんなわけ。。
あるかも知れない。」
その後、みんなで、
頑張ったかいもあって、
午後には、
殆どの食材を、
調理し終わった。
「いやぁ、三人でやると、
早く終わるもんだね。」
「くりきんとん、
作りすぎたかも。」
「そうだねぇ。栗、
袋で、まぁまぁ、入ってた
もんね。」
「パクッ」とつまんで、
「私、大好きなんで、
残りませんよ。」
しおりが、嬉しそうに、
つまみ食いしてる。
「作ったかいがあるねぇ。」
「そうだね。煮物も、
味が染みたら、完成だし。」
ホッとしたら、何だか、
眠くなってきた。。。
「ちょっと、昼寝して
いいか?何だか眠くて。」
「実は、私もちょっと。」
「気が合うね。あたしも、
眠い。」
みんなで、テーブルの上の、
鍋を、台所に下げて、
布団を敷いた。
「起きたら、重箱に、
詰めようね。」
そう言って、布団に入ると、
あたしは、速攻で、
眠りについた。。。
「ん。」
あたしが、起きた時、
部屋は、真っ暗。。
枕元の、スマホを見ると、
夜の、9時だった。。。
よっぽど、疲れたのか、
二人とも、まだ、
良く寝ている。
あたしは、喉が、乾いて、
台所で、水を飲む。
「ふぅ」
寝かせて置いても、
いいかなぁ。と、
思ったけど、
流石に、お昼を、抜いてる
から、起こして、
ご飯食べさせないと、
そう思って、
二人を、起こす事にした。
「しおり、夜だよ。」
「うー。夜ですかぁ。。」
「バッ」っと、上半身を、
起こして、しおりが、
キョロキョロする。
「あ、夜だ。」
「あたしも、起きたら、
真っ暗でさ。、
昼飯抜いてたから、
みんなで、
ご飯食べようかと、思って。」
「そうでしたね。眠くて、
お昼食べませんでしたね。」
「しおり、りさ、
起こしてくれるか?」
「あ、はい。」
あたしは、自分の、
布団をたたみ、
押し入れに、押し込む。
しおりは、りさの、布団に
潜ると、耳元で、
「お姉ちゃん起きて。」
と、ささやく。
「うん。起きる。」
そう言うと、しおりが、
りさに、抱き枕の様に、
捕まった。
胸に、顔を挟まれ、
「お姉ちゃん、
息が出来ない」
と、バタバタしていた。
「やれやれ。」
りさは、
しおりに、抱きついて
いるが、ちゃんと、
起きていた。
「ぷはぁっ」
しおりを、解放して、
りさが、起きあがる。
「あらら、真っ暗じゃん、
今何時?」
「9時過ぎ。」
「マジかぁ。そんな時間。」
「そうなんだよ、寝すぎた」
そんな、りさを見て、
珍しく、しおりが、
りさに、抱きついた、
「仕返しっ。」と言って、
胸を、押し当てる。。。
「鼻が、潰れて痛い、
ギブ、ギブっ。」
少し間が空いて。。
「うーっ。どうせ、
私の胸は、ペタンコですよ」
と、言って、自分から、
やっといて、
しおりが、いじけた。。。
「やれやれ。」
思わず、あたしは、
そのやり取りを見て、
苦笑いした。。。
「でさ、何食べる?」
あたしが、二人に、
問いかけると、
「煮物、
味染みてるはずだから、
今日は、それで良くね。」
りさが、鍋のふたを、
外して、そう言う。
「そうだね。作りすぎてる
から、今日は、
そうしようか?」
「私も、それで良いです。」
布団を、片付けて、
テーブルを出す。
「ちょっと、寝起きで、
食べれないから、
先に、詰めちゃおうか?」
「うん。そうしよう。」
そこから、重箱に、
入るだけ、詰めて、
残った分を、今日の、
ご飯にした。。。
あたしは、来年の為に、
入り切らない分を、
作りすぎ防止の為、
メモに残した。
しおりが、それを見て、
「あけみさんの、
そう言う所、凄いと、
思います。」
と、
鼻息荒く言うもんだから、
「だってよ、作りすぎって、
色々、勿体無い気がして。」
って、返すと、今度は、
りさが、
「そうなんだよ、あけみは、
そう言うの、色々、
しっかりしてるから、
失敗が、
少ないんだよなぁ。
あたしも、あけみの、
そう言う所、
尊敬してるよ。」
なんて、言う。
「普通だよ。」
なんか、頭が痒くなる様な、
事を、二人に言われて、
あたしは、照れた。。。
それから、
大晦日を、どう過ごすか、
三人で、考えてて、
その話のなかで、
しおりの、年越しそばって、
ワードが、出てきて、
「何それ?」
ってなった。
あたしらは、年越しそばを、
一年の締め括りに、
食べるってのを、
知らなかったんだ。
「明日、買いに行こう。」
あたしは、大晦日の、
一番最初の、予定に、
そばを買いに行く事を
決めさせて貰った。。
それから、
しおりに、渡したいものが、
あった。りさと、話して、
決めた物。
「なぁ、しおり、
これ、持っててくれる?」
あたしは、家の鍵を、
しおりに、渡した。
「え。鍵?」
「りさとも、
話してたんだけど、
鍵が、あれば、
好きな時に、来れるから。」
「いいの?」
「だって、妹だろ。
お姉ちゃんの家の鍵、
持ってたって、
いいじゃん。」
「ありがとう。。。
お姉ちゃん。」
しおりは、とても、
喜んで、失くさないように、
すぐに、
鍵を、鞄にしまった。
それに、鍵があれば、
朝、六時に、
来られても、大丈夫だしね。
あたしは、上機嫌な、
しおりを、眺めて、
そう、思った。。。
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