第4話 学校
「受かった。」
二人で、肩並べて、喜んだの
も、少し前の話し。
入ったら、入ったで、
鞄やら、体操着やら、何だか、懐かしいもんを、買わなきゃ
なんなくて。高校に、通うってのが、凄く新鮮で、不思議な、感じがした。
わかんない事があると、
しおりの、お母さんが、
手伝ってくれたりしてさ。
りさと、二人で、逆に、
へこんだりもした。
お互い、りさも、あたしも、
中学校の準備も、自分でやったし、
お金も、大変だった。。。
だから、親が、ああいうもんだって、あたしらって、
しらなかったからさ。
凄く助かったけど、その、
助かった分、へこむんだよ。。
流石に、しおりとか、お母さんの前で、へこむほど、あたし達だって、空気読めなくないからさ、二人だけの時に、
ちょっと、泣いちまったよね。
しおりの、お母さんって、
結構、世話焼きで、
最近じゃ、困って無くても、
あたしらの、所に、顔出してくれたりすんのよ。
この前なんか、お父さんも、来るし。
そんな、こんなで、りさと、あたしで、話してたんだけど、
あたしらって、親切とか、
そう言うのに、馴れてないんだよね。
この前なんか、お母さんが、
入学式の時なんか、
赤飯とか、くれてさ、
二人で、食べようと、すんだけど、胸がつかえて、
上手く食べれなかったんだよな。お母さんが、
「頑張ったね。」なんて、
言うから。。。
他人だって、わかってるけど、
親に、褒められたことないからさ。二人で、赤飯前にして、
箸持ったまま、ボロボロ泣いて、りさが、泣きながら、
「美味しいから、泣いてないで
食えよ。」なんて言って、
「本当に、旨いな。」とかさ、
泣きすぎて、
味わかんねぇつーの。
半分残しておいて、
味がわかったのなんて、
次の日だったよ。
しおりの、両親が、来たときなんかは、高校出てから、何するのか、ちゃんと、考えなさいとか、真剣に、言ってきて。
普通なら、うるせーよ。とか、
言ったりしちまうんだけど、
真剣に、優しいから、
あたしら、かしこまっちまってさ。
普通を、掴もうとしたら、
普通が、寄ってきたって言うか
そんな、物なのかね。。。
今は、ふたりで、朝から、
バイト行って、夕方から、
高校って、生活が、だいぶ
馴れてきてさ、りさとも、
たまに、話しすんだけど、
将来の事をさ。
漠然とし過ぎて、
ここを、出たら何すんのか、
何て、考えもしなかったからさ。
高校に入って、卒業する。
考えたら、あたしらって、
それすら、高い目標だったから、
ハッキリ言って、
それに、満足しちまってて、
余計に、見えなくなってたんだと思う。
「やっぱり、大人って言うか、
親の、言うことは違うね。」
りさと、声をかぶらしちまって、
笑ったよね。
高校って言う、ある程度の、
普通に、満足してないで、
その先の事を、考えて行かないと、
駄目なんだって。
でもさ、何やりたいかとか、
りさと、話し合ってても、
考えると、出てこないんだな、
これがさ。もともと、目標が、
低いってか、駅前を、徘徊してた、
うちらにとって、
家を借りて、高校に行くって、
なかなかの夢だったんだから、
しょうがないよね。
「何してぇんだろ。。あたし。」
考えてると、いつも呟くよ。
「何してぇんだろ。。あたし。」
ってね。
まぁ、定時制の高校だと、
年下に、年上が、まばらに、
通って来る。この前なんか、
りさが、年下に、告られて、
凄い、冷めた目で、断ってたけど、
あたしも、多分、
ああなんだろうな。って、言うのは、
感じたよね。
多分、あたしらと、違って、
普通に、滑り止め感覚で、
受かって、通って来る、
連中とは、感覚違いすぎて、
受け入れられないんだよね。
特に、男はさ。どうしても、
あっちで、考えちまう。。
下らねぇな。とは、思うんだけどね。
取り敢えず、近い将来だと、
車の免許だね。りさと、
免許の話しで、盛り上がったし、
免許もないのに、
あー言う車に乗りてぇとか、
言ったりしてさ。
そんな事を考えられると、
毎日が、凄く充実してる。。
その事に、最近、気づいた。
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