第31話 朱音 最終進化!?
上級迷宮〈煉獄火山〉の探索を開始して半月が経過した。未だに従魔は増えていない。
「マジックバックと魔法テントは便利ですね。」
「そうですね。ワイバーンの皮から造れるみたいです。錬金術の技術は必要なようですけどね。そんなには渡せませんが、朱莉さんと蓮司さん分は作成中なので出来次第に渡しますね。」
マジックバックは100m四方の亜空間に物を収納できるバックである。
魔法テントは5人用のテントで、キューブ状の魔道具で発動すると一瞬でテントが設置される。リビング、5部屋、風呂、トイレやキッチンが完備している。
「それは助かるわ。ただ造ったと言うのは秘密にしておいた方が良いわね。迷宮の宝箱から手に入れたことにした方が良いかしらね?」
「そうですね。二階堂さんのところで使い捨ての魔法テントを販売するので誤魔化せるんじゃ無いですか?」
摩天楼ショップにも魔法テントが売っているが回数制限がついている。なので規定の回数を使用すると消滅して消える。中もここまで広く無いけど、迷宮で快適に過ごせるので高ランクの冒険者に需要があると言う話しになっていた。
上級迷宮の魔物も順調に狩れていた。その理由は幾つかあって、装備を上級魔物の素材で新調出来たのと従魔の《進化》が大きいだろう。
まずレベルが上限に達したのは朱音だった。上級迷宮で多くの蟲系の魔物を糸で捕らえ倒したのが大きかったのだろう。いつの間にかレベルが上限に達していた。
数日前に朱音から進化が可能となったと報告があった。そろそろだと思っていたけど、最初が朱音だったのは予想していなかった。最初はランクが低い黒金か白雪のどちらかだと思っていたからだ。
理由を聞いたら納得したけどな。朱音は蜘蛛の糸で罠を仕掛けて魔物を捕らえ倒していた。
進化させるのは俺の役目なんだよな。
進化先を確認しよう。
進化先
・アークデーモンスパイダー★
・ステルステラー(絶滅種)★
・デーモンアラクネ(変異種)★
★最終進化先
どれを選んでも最終進化となる。
アークデーモンスパイダーは今の種族の正当な上位種族のようだな。全体的にパワーアップする感じだ。
ステルステラー(絶滅種)は絶滅した種族でアラクネの特殊個体にあたるようだ? 詳細までは良くわからない?
デーモンアラクネ(変異種)はアラクネの変異種でどちらかと言うと悪魔よりの種族となるようだ。
最終的にステルステラー(絶滅種)とデーモンアラクネ(変異種)で悩んだ。朱音の意見も聞いて二つに絞った訳だが、最後は俺の判断に任せると言われてしまった。そして考えた末に・・・
ステルステラー(絶滅種)➡️ 《進化》
選んだ理由は前世で悪魔には良い思い出が無いからというただそれだけの理由だった。
朱音の進化は劇的だった。黒かった身体が白く変色し、蜘蛛の胴体から人のような身体が生えてきた。人の部分は朱音が人化した姿に似ていて、変わっているところと言えば髪が純白に肌は透き通るように白く、背には天使のような翼が生えていることだろう。綺麗な瞳だけは以前と変わらず紅色に輝いていた。
▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼
[名前] 朱音
[種族] ステルステラー(絶滅種)★
[ランク] B+
[ステータス]
L V 1
H P 4850/4850
M P 5780/5780
STR 3330
INT 2520
VIT 2960
MND 3466
[エクストラスキル]
『ステルス』(NEW)
[スキル]
『万能糸』(進化)『気配察知』『白翼刃』(進化)『猛毒生成』(NEW)
▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲
エクストラスキル『ステルス』は反則的なスキルだった。自身は勿論、触れたものに《迷彩》効果を付与する。スキルには無いが朱音は隠密能力が高い。それに合わさり迷彩効果で姿が消せる。恐怖でしか無いだろう。
今も見えない糸に捕らえられる魔物を見ると、選んだ進化先に間違いは無かったと思う。
その他にもスキル『魔鋼糸』と『粘着糸』が合わさり進化した『万能糸』は朱音しか使えない。どうやら独自に進化したスキルは俺に反映されないようだ。
スキル『白翼刃』も同様で背の天使のような翼から白い羽の刃を飛ばすもので聖属性が宿っているようだ。完全に悪魔から天使側へと変化している。
スキル『猛毒生成』は体内で猛毒を生成するスキルである。毒の種類も様々で身体の何処からでも出せるようだ。
その毒は上級迷宮の大型の魔物にも有効で戦闘時間が大幅に短縮された。
朱音の進化に感化されたのが他の従魔達で、朱音に続けとばかりに魔物を狩っている。その結果が俺だけでは無く、蓮司さんや朱莉さんのレベルアップにも大きく影響した。
摩天楼でも、上級迷宮の魔物の素材が大量に入ってきてレシピが急増した。各施設では嬉しい悲鳴が聞こえたとか聞こえないとか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます